まちまちの経済指標で方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月15日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10624.69△12.85

<NASDAQ>2367.66▼0.80

<為替:NY終値>90.57-90.63

まちまちの経済指標で方向感のない展開

 週末の米国市場は朝方発表された小売売上高が予想に反して増加したことで堅調な始まりとなりましたが、消費者信頼感指数が低下したことから利益確定売りや週末の手仕舞い売りが嵩んで軟調となるものが見られました。ナスダック指数は小幅安となり、7営業日ぶりに下落となりましたが、ダウ平均は1月高値を窺うように、堅調となりました。全体的に方向感はないながらに堅調な底堅い展開となりました。

 雇用に続き個人消費にも底堅さが見られ、景気回復を確認するような動きとなっています。さすがに週末ということや連騰疲れから上げ一服となりましたが、景気回復を確認しつつあり、また金融不安や金融規制からの信用収縮懸念も薄らぎ強含みの地合いが続くものと思われます。商品市況が上昇し、個人消費に過熱感が出るまでは本格的な金融引き締めもないものと思われ、出口戦略が取り沙汰されて調整となる場面でも大きな下落はないものと思います。

 個別には景気敏感銘柄のGE(ゼネラル・エレクトリック)やキャタピラーが高く、メーシーズやベスト・バイなど小売関連銘柄も高くなりました。シティグループは前日までの連騰の反動から大幅安、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株に軟調なものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や外国人が買い越し基調ということで買い先行で始まり、無事SQ(特別清算指数)算出を通過、寄付きが高値となって利益確定売りや週末の手仕舞い売りに押されて上げ幅縮小となる場面もありましたが、値持ちの良さを好感する買いや持高調整の買いも入り堅調となりました。盛り上がりに欠ける展開が続いているのですが指数は堅調となりました。

 週末の米国市場に目先的な過熱感も出ていたことから、日本市場も目先的な過熱感や達成感も出てくるものと思います。ただ、売り急がなければならない理由にも乏しく、上値の重さを確認すると売られ、底堅さが確認されると買われるような方向感のない展開となりそうです。為替も大きな動きはなく、若干円安気味ということもあり、ハイテク銘柄などが業績回復を織り込むような形で注目されるのではないかと思います。

 週末に堅調となったこともあり、今後は10500円水準での底堅さが見られそうです。目先的な過熱感があることもあって上値も重く10800円から900円水準が上値目処となって、1月高値更新となるのは来月以降となるのではないかと思います。当面は10500円から10900円水準での動きとなり、堅調ながらも上値の重い展開となりそうです。

本日の注目点

◇3月の月例経済報告(内閣府)

◇2月の消費動向調査(内閣府)

◇2月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向(不動産経済研究所)

◇ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)

◇2月の米鉱工業生産

◇決算・1月期:ACCESS(4813)

◇決算・8−1月期:稲葉製作所(3421)、ドクターシーラボ(4924)

◇決算・6−2月期:くろがねや(9855)

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