米国株高や円安を好感する動きに加え、持高調整の買戻しもあり値持ち良く堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年03月12日 16時16分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10751.26円 △86.31円
売買高 26億7992万株
日経平均先物 10680円 △70円
売買代金 2兆2320億円
TOPIX 936.38 △6.00
値上がり銘柄 992銘柄
東証マザーズ指数 423.53 △6.71
値下がり銘柄 502銘柄
日経ジャスダック平均 1230.73円 △2.94円
変わらず 172銘柄
騰落レシオ 105.05% △2.08%

日経平均

米国株高や円安を好感する動きに加え、持高調整の買戻しもあり値持ち良く堅調

 米国市場が堅調となったことや引き続き外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しと伝えられたことに加え、SQ(特別清算指数)算出に絡む買いも入り買い先行となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡したところからは週末と言うこともあって買い手控え気分も強く、寄付きを高値として上げ幅を縮小する展開となりました。それでも持高調整と見られる売り買いが見られるなかで大きく売りに偏ることもなく、指数は方向感のない展開となりました。

 後場に入ると見切売りなども嵩むかと思われましたが予想に反して買戻しも多く、値持ちの良さを好感して買われる場面もあるなど堅調な展開が続きました。鉱工業生産指数の確報も予想を上回るなど業績回復期待も根強く、持高調整の売りが嵩むことがないと買戻しを急ぐ動きも見られ、戻りを試すような場面も見られました。最後はさすがに見切り売りやヘッジ売りも嵩んで上げ幅縮小となりましたが、目先の需給も悪くはないと思わせるような相場となりました。

 小型銘柄も堅調なものが目立ちました。値動きの良さを好感して買われるものも見られ、東証マザーズ指数は大幅高となりました。日経ジャスダック平均は手仕舞い売りも見られ上値も重くなりましたが、堅調となりました。先物のまとまった売り買いは散発的に見られるに過ぎませんでしたが、先高期待も出てきているようで、買戻しを急ぐ動きも見られました。はっきりと方向感を出すことはありませんでしたが、底堅さを示すような買いは見られました。

 無事にSQを通過、需給の悪化懸念は杞憂に終わったようです。先週の米雇用統計の発表を控えた持高調整、そして今回のSQに絡む持高調整の売りが懸念されましたが、ここまで買われていなかったことや日本株に割高感がないことから売り急ぐ動きもなかったという結果となりました。来週は日銀金融政策決定会合や米FOMC(公開市場委員会)、そして決算期末の3連休を控えているということで、最後の持高調整や持合解消の売りが懸念されるところですが持高調整の売りが限定的となれば、業績回復を改めて織り込む格好で強含みの展開となって来るのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 堅調な動きが続き一気に上値の節目水準である10800円を試す動きとなりました。ただ、RSIには上値余地もあり、ストキャスティックスは高値圏にあり、ローソク足の形も昨日に続き「首吊り足」のような形となっており、また、「三空」に近い形でもあり、「天井」を示す兆候も見られ、週初に軟調となると本日が当面の高値となって、雲のねじれの日柄あたりまで調整となる可能性もありそうです。

TOPIX

NYダウ

 雲を抜けて「三役好転」となったことを確かめるように上昇しました。RSIには上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、日経平均と同様に「首吊り足」と言われる「天井」を示す形であることや移動平均や基準線との乖離も大きくなっていることなどから、週初に軟調な始まりとなるといったん雲のサポートを確認するように調整となる可能性もありそうです。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

持高調整の買戻しも見られ、ヘッジ売りをこなして堅調

武 田(4502) 4135 △60

 SQに絡む買いも入って堅調な始まりとなった後も上げ幅縮小となるものも見られる中で堅調となりました。高配当利回りを評価する動きやディフェンシブ銘柄を物色する動きもあって買われたものと思います。

電 通(4324) 2447 △49

 足元の業績が回復基調にあることに加え、米アップル社が発売する新型端末向けに雑誌の記事を有料で配信するサービスを始めると新聞で報じられ、好感する買いも入って堅調となりました。

東ガス(9531) 397 △1

 2011年3月期に100億円超の自社株買いを実施する公算が大きいと新聞で報じられ、株式需給の好転を期待した買いが入り堅調となりました。来期の自社株買いの規模が今期の2倍を越える額になるとの見方で好感されました。

SUMCO(3436) 1790 ▼45

 引け後に決算の発表を控えて手仕舞い売りに押されて軟調となりました。今期の赤字幅の縮小が見られるのかどうかが注目され、また、今期業績見通しを発表するのかどうかを見極める必要があるとのことで買い手控えられたものと思います。

ホンダ(7267) 3300 △30

 2月26日に発売した新型ハイブリッド車の受注台数が好調で、発売2週間で年間販売計画の約6割に当たる水準の受注となったことが好感されて買われ、堅調となりました。

ソニー(6758) 3380 ▼60

 6営業日ぶりの反落となりました。SQで買戻し一巡となったことや目先的な過熱感も強く、週末の手仕舞い売りに押されて軟調となりました。業績回復期待は依然として強く、底堅さも見られました。

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