コラム
» 2010年03月12日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:“休ませてください”が言えない……こんな雰囲気が漂う職場の問題点 (1/3)

「会社を休みたいけど、上司に言いにくいなあ」といった経験をしたことがある人も多いのでは。こうした言いたいことが言えない雰囲気が漂う職場には、どのような問題が潜んでいるのだろうか。

[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)など。ブログ「吉田典史の編集部」


 私は会社員のころ、ズル休みをしたことがある――。38歳まで会社員をしていたが、通算で20回は経験している。いずれも上司に連絡をあらかじめ入れて、「有給休暇を取らせてください」と伝え、了解はもらっていた。そう考えると「有給休暇の消化」とも言える。

 「ズル休み」と書いたのは、有給を取る理由が嘘だったからだ。例えば、次のようなものだった。

  • 親戚の法事に出る。
  • 親戚に不幸があった。
  • 風邪で熱が下がらない。 
  • 全身にジンマシンが出て、なかなかひかない。
  • コンタクトレンズを落として見えない。

 これらを聞いた上司は何も言わずに、「有給休暇申請書」に認印を押していた。なぜ、上司たちは「嘘をつくな!」と言わなかったのだろうか。それは端的に言えば、有給の消化は労働者の権利だと法で定められているからだ。もちろん日数などに上限があるが、その範囲内であれば管理職は有給休暇の申請を受けたとき、よほどのことがない限り、認めるものだ。

 私は、なぜ嘘をつかざるを得なかったのか。勤務していた職場では「明日は有給を取らせていただいて……」とはなかなか言えない雰囲気があった。私としては、つまり、有給を消化する大義名分が欲しかったのだ。だから、前述したような理由を白々しく伝えていたのだ

言いたいことが言えない職場の雰囲気

 さて、この有給を取ることが言えない雰囲気=言論が不自由な職場を具体的に考えてみたい。これは多くの職場で増えているうつ病や精神疾患、さらにはイジメなどとも関係があると私は見ている。

 言論が不自由な職場を作っている理由として、少なくとも2つのことは挙げられると思う。1つは、あいまいな人事評価である。この時事日想で何度か取り上げたが、多くの会社の人事評価は2つの軸(業績と行動)で成り立つ(関連記事)。「行動評価」の「協調性」「責任感」などの評価の基準はあいまいである。

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