ユーロファミリーに“嘘つき”が出てきた……ユーロ8年目の危機松田雅央の時事日想(3/3 ページ)

» 2010年03月10日 08時00分 公開
[松田雅央Business Media 誠]
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 「これは、財政再建プログラムの目標、特に2010年に財政赤字を対GDP比4%削減するとの目標を確実に達成するために、なすべきことはすべて実行するという同政府の強い取り組みを確認するものだ。本日発表された追加措置に、競争力の回復にとって不可欠である歳出削減、とくに公務員給与の抑制が含まれていることは適切な判断である。また発表された歳入増加措置も財政再建に貢献するものである」(駐日欧州連合部の公式Webサイトより

 実は、巨額の財政赤字はギリシャだけの問題でなく、イタリア(1兆7570億ユーロ)、スペイン(5690億ユーロ)、ポルトガル(1260億ユーロ)、アイルランド(1080億ユーロ)も危険な水準にある。欧州委員会はこれらの国々に対し「ギリシャ同様、必ずしも財政状況を正確に報告していないのではないか」との疑念を抱いているようだ。ギリシャ一国ならばまだしも、財政危機が連鎖的に起きればそれこそユーロの信頼性は瓦解しかねない。

 ノーベル経済学賞受賞者ミルトン・フリードマンは1999年当時「おそらくユーロは最初に訪れる経済危機を乗り越えられないと思う。たぶん10年後には、ユーロ圏は空中分解しているだろう」と語った。幸いにも彼の予想は外れたがユーロの試練は当分続きそうだ。

※3月8日の為替:1ユーロ≒123円


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