連日の大幅高後とあって上値は重いが、指数の値持ちの良い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月09日 16時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 先週末と昨日の大幅高の反動から上値の重い展開となりました。その割には底堅い堅調な展開といえるのでしょうが、市場参加者はまだ増えた感じでもなく、底堅さは見られるのですが買い気はまだ盛り上がらないようです。足元の業績は回復が確認されているのですが、経済指標の発表やSQ(特別清算指数)などに加え、単に「決算月」ということで需給が悪化する可能性も否定できず、しっかりと買い続けることが出来ないということなのでしょう。

 決算月という特殊な要因で需給面での不安が拭えないと言うことなのだと思います。足元の景況感から考えると例えば来年の今頃までにこの水準から1割上がることがあるのかないのかといえばあるのではないかと考える人が多いのではないかと思います。これまでの金融収縮場面では来年の今頃までには大変なことが起こるという恐怖感もあり、手を出し難かったのでしょうが、ここから、日経平均が11000円を付ける可能性と9000円を付ける可能性のどちらに賭けるかと言うと11000円に賭ける人が多いのではないかと思います。

 それでも未だに買い気に乏しいということはまだまだ先安懸念が根強いということなのでしょう。ただ、ここから下がる要因とすれば、景況感の悪化、デフレの進展、金融不安からの信用収縮による需給悪化、決算やSQなどのイベントに絡む需給要因などが考えられますが、いずれにしても、それらの要因で下落した後はそれ以上に下がらないような要因が多いのではないかと思います。したがって、何らかの要因で売られた後は反発が大いに期待されるということであり、下がらない可能性も多いのではないかと思います。

 今回の上昇も米雇用統計の発表がきっかけでしたが、今後もSQや3連休などといったイベントをきっかけに下落する可能性もある代わりに上昇する可能性もあり、イベントごとに株価水準をチェックして見るのも良いかもしれません。決算月だから動けないということは逆に言えば皆が動けないところなのだから動いたらうまく行くということなのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.