大幅高の反動もあり上値が重くまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月09日 08時54分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10552.52▼13.68

<NASDAQ>2332.21△5.86

<為替:NY終値>90.31-90.37

大幅高の反動もあり上値が重くまちまちの展開

 引き続き雇用統計の悪化が限定されていたことを好感するような形で、週末のヘッジ売りの買戻しも交えて買い先行となりました。ただ、さすがに大幅高の後だけに買い戻し一巡後は利益確定売りに押されるものも多く、ダウ平均は軟調となりました。ナスダック指数はハイテク銘柄に高いものが多く堅調となりましたが、さすがに上値の重さも見られました。原油価格は堅調でしたが、金価格は軟調となるなど商品相場もまちまちとなり、強含み、堅調な地合いながらも上げ一服と言う感じでした。

 週明けも特に売り急ぐ材料もなく、底堅い堅調な地合いとなりました。利益確定売りに押されて軟調となるものも見られましたが、売り急ぐこともなく、業績面での不安も、欧州などの金融不安に対する懸念も薄らぎ落ち着いた展開となっています。金融緩和の出口戦略が取り沙汰されると利益確定売りも嵩むのでしょうが、徐々に業績回復を織り込むような格好となりそうです。「金融相場」から順調に「業績相場」へ移行しているものと思われます。

 個別には「インターネットを一変させる重要な発表がある」と報じられたシスコシステムズが高く、アップルも小幅高となりました。一方、ヒューレット・パッカードは訴訟費用の増加の影響で利益の下方修正を発表、軟調となりました。傘下の生命保険会社売却を発表したAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は高く、鋼材価格の上昇を好感して投資判断の引き上げられたUSスチールが高くなるなど個別の材料で買われるものも見られたのですが、全般に利益確定売りに押されるものが多くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国市場が大幅高となったことに加え、為替も円安となり、素直に好感する形で輸出関連銘柄などを中心に買われて大幅高となりました。節目と見られる10500円から600円水準まで一気に戻りましたが、業績回復を織り込み強含みとなったものと思われます。外国人も買い越しと伝えられて、値持ちが良く、買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 米国市場はまちまちとなり為替はほとんど変化はなく、日本市場は手掛かり難の中、目先筋の利益確定売りに押されそうです。週末・週明けの大幅高の後だけにさすがに反動安となるものと思われます。商品相場も上げ一服という感じで上値も重く、利益を確定するにはいいタイミングということでしょう。ただ、米国でもハイテク銘柄が堅調となっていたように、日本市場でも受注状況が好調、業績回復が見られるハイテク銘柄などは押し目買いも入り底堅い展開となり、底堅さが確認されると買い急ぐ場面も出てくるかもしれません。

 日経平均は節目と見られる10500円〜600円の水準まで一気に上昇となりましたが、そろそろ一旦は上値も重くなりそうです。ハイテク銘柄などの値持ちが良ければ底堅い堅調な展開となるのでしょうが、特に買い上がる材料がないことから、節目を意識して上値は買い上がり難いのでしょう。10500円〜600円水準を固めるような動きとなるものと思いますが、円高に振れることがあれば利益確定売りを急ぐ動きも見られ、下値の節目を確認するような動きとなるのでしょう。

本日の注目点

◇1月の景気動向指数(内閣府)

◇ジャスダック上場:大光(3160)

◇決算・1月期:菱洋エレクトロ(8068)

◇決算・10−12月期:独アウディ、ドイツポスト

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