先週末の米国株高や円安を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年03月08日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10585.92円 △216.96円
売買高 18億9408万株
日経平均先物 10580円 △210円
売買代金 1兆3508億円
TOPIX 927.31 △16.50
値上がり銘柄 1225銘柄
東証マザーズ指数 420.38 △3.23
値下がり銘柄 313銘柄
日経ジャスダック平均 1225.63円 △5.70円
変わらず 136銘柄
騰落レシオ 105.48% △10.43%

日経平均

先週末の米国株高や円安を好感して大幅高

 週末の米国市場が大幅高となったことや円安に振れたことで買い先行となりました。先週末に既に大幅高となっていたのですが、改めて市況の好転を評価して買い直し、買戻しを急ぐ展開となったものと思います。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しと伝えられたことや対ユーロなどでも円安に振れ、信用収縮懸念が薄れたことから、輸出関連銘柄や資源株ばかりではなく、幅広く物色されほぼ全面高となりました。持高調整の売りも見られないことで買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 前場も寄り付きの買いが一巡した後は伸び悩み、大幅高ながらも方向感のない展開となりましたが。後場もご他聞に漏れず方向感のない中で大幅高ながらも小動きとなりました。特に売り急ぐ材料もなく値持ちの良さ見られると引けを意識するような時間帯には上値追いとなりました。最後は買戻しを急ぐ動きもあり、週末のSQ(特別清算指数)算出を控えてのヘッジの先物買いなどもあったようで先物にまとまった買いみ見られ、指数を押し上げ、高値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も堅調ながら主力銘柄が大きく買われる中で上値の重いものが目立ちました。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均共に堅調となりました。先物は朝方はまとまった買いが見られたもののヘッジ売りの買戻しが一巡した後はまとまった売り買いが見られても追随する動きはなく、指数を大きく動かすような場面はほとんど見られませんでした。ただ、引けを意識する時間帯には値持ちの良さに痺れを切らしたようなまとまった買いも見られ、指数を押し上げる場面も見られました。

 ようやく上に抜けたような格好ですが、まだまだ先行きに対する警戒感や目先の需給不安から最後まで買い切れないような感じです。朝方は海外市場の影響などで大きく動くのですがその後は方向感はなく、目先筋の先物の売り買いなどに指数が振らされる格好となりました。ただ、節目と見られる水準まで戻ったことで、戻り売りや見切売りをこなしており、値持ちの良さが見られると昨年の3月から4月の相場のように買い急ぐ動きが出てくるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の上限まで一気に上昇となりました。昨年8月のもみ合いの上値の水準でもあり、ここからは上値も重くなるかもしれません。ただ、遅行線が日々線を抜け、RSIやストキャスティックスは上値余地もあり、雲の上限に沿って上年も重くなるのでしょうが、底堅い展開は続くものと思います。一気に雲を抜けてくれば雲のサポートを確認しながら強含みの展開になるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 遅行線は日々線を抜けて来ましたが日々線は雲に上値を押さえられてしまいました。ストキャスティックスは高値圏になって来ましたが、RSIはまだ上値余地もあって上昇が続き、一旦雲の上限に押さえられて上値の重い展開になるかもしれませんが、底堅い強含みの展開が続くものと思います。一気に雲を抜けて雲のサポートを確認するような動きとなるかもしれません。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

ほぼ全面高、ディフェンシブ銘柄の一角が安い

J T(2914) 336500 △12500

 物色対象が広がる中で、メーカー主導のタバコの値上げを評価して外資系証券が投資判断を引き上げたこともあり、大幅高となりました。これまで動きがなかっただけに買い戻しのきっかけになって物色されたものと思います。

三菱重(7011) 350 △12

 洋上LNG(液化天然ガス)生産設備の受注活動を本格化させると新聞で報じられ、今後エネルギー資源の多様化の名間で洋上プラント需要拡大は見込め、収益力の強化につながるとの見方から買われ大幅高となりました。

富士通(6702) 568 ▼16

 社長人事をめぐる混乱や不正確な情報開示を嫌気する売りが嵩み軟調となりました。企業統治のあり方に大きな不信感があるとして、見切売りが嵩みました。

三井金(5706) 255 △5

 使用済み電池からレアメタル(希少金属)を取り出す専門設備を新設するとほうじられ、今後の伸びが期待されるハイブリッド車や電気自動車の普及に伴い、事業基盤も強化されるとの評価から買い先行となり、堅調となりました。

ソニー(6758) 3295 △90

 米国の景気回復が期待される中で、米国株高、円安を素直に好感されて買われ堅調となりました。円安メリット銘柄、米国景気の影響の多い銘柄としての印象も強く、買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

三協立山(3432) 125 △9

 値動きの良い低位株を物色する動きに加え、住宅版エコポイントが始まることからの思惑もあり、目先筋の買いも交えて大幅高となりました。

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