好材料が多く、注目される指標の発表前に大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月05日 17時23分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 後場に入ってから上げ幅縮小となる場面もありましたが、ほぼ全面高となりました。米国株高、円安、中国の景気刺激策継続、日銀の追加金融緩和期待などが上げの要因と思われますが、加えて先行きに対する不透明感が根強く、ヘッジで空売りをした向きも多く、買戻しなどもあったものと思います。また、「円キャリー取引」などもあったのではないかと思われ、「ロング-ショート」と言われる戦略を組む動きもあったのではないかと思います。

 何年か前から「ロング-ショート」と言われる戦略が多く見られるようになり、相場の転機やSQ(特別清算指数)算出の時期や日銀の金融政策決定会合など金利に変化が見られる、あるいは見られそうなときにそうした戦略を組む動きや逆に解消する動きが出て、相場の波乱要因となることも多く見られました。市場全体の売買高が非常に多くなる、あるいは同じ業種なのに大きく上昇している銘柄と下落している銘柄が混在するなどというケースでは「ロング−ショート」の動きがあったの見てもいいと思います。

 また、業種別にも例えば昨年の3月のようにディフェンシブ銘柄が軒並み大きく売られ、ハイテク銘柄買われるケースなどもあります。また、単純にこれまで売られていた銘柄が大きく買われ、買い材料があるにも関わらずこれまで買われていた銘柄が売られるなどと言うケースもこうした持高調整の動きである場合が多いのです。そして、ここまで大きく売られていた銘柄が買戻しを気に上昇に転じる(昨年のディフェンシブ銘柄がそうでした)ケースなどもあり、注目して見るといいかもしれません。

 いずれにしても相場の転機となることも多く、また、逆に相場の転機、SQ算出日の前の日だとか、ファンドなどの決算日にこうした動きが起こることも多く、その後の相場の動きを読む上ではこうした動きをしっかりと把握しておくことが必要でしょう。株も上がっているから買うということではなく、なぜ上がっているのか、何を示していることなのかをしっかりと読み取ることが大切なことなのです。しっかりと読み取れれば次の行動が取り易いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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