経済指標の改善は見られるものの反応は鈍く、指数は小幅安清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月04日 08時41分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10396.76▼9.22

<NASDAQ>2280.68▼0.11

<為替:NY終値>88.43-88.49

経済指標の改善は見られるものの反応は鈍く、指数は小幅安

 ギリシャ政府の追加緊縮財政措置が発表され欧州市場も堅調となったことに加え、民間調査で雇用者数の減少が予想より小さく、ISM非製造業景況感指数も予想を上回るといった好材料を受けて堅調となったのですが、午後に入りベージュブック(地区連銀経済報告)が発表されてしばらくすると利益確定売りや見切売りが嵩み指数は小幅安となりました。商品市況も堅調となりましたが、まだ週末の雇用統計などを懸念する動きなどもあって、最後まで買い切れず、早めに利益を確保しようと言う動きは変わらないようです。

 もう少し素直に好感してもいいような好材料があるのですが、反応が鈍くなっています。ベージュブックも特に問題視するようなこともなく売り急ぐ材料とならないと思われましたが、大雪が経済活動を妨げはしたものの景気回復が継続しているとしたことで、「出口戦略」に対する懸念が出てきたということなのでしょう。ただ、先行きの不透明感も徐々に薄れ、「業績相場」へと移行して強含みの展開は続くものと思われます。

 個別には2009年12月から2010年2月の決算が堅調なものの予想を下回ったことでコストコ・ホールセールは軟調となりましたが、堅調な消費の復調が期待されることから、ウォルマートやホーム・デポは堅調となりました。ベージュブックでも景気回復傾向が確認されたこともあって、景気敏感銘柄のキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)も堅調、金価格が引き続き堅調なことでパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングが高く、商品市況高からモンサントも堅調となりました。欧州での金融不安も薄らぐかと思われましたが出口戦略への懸念もあってか、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株は軟調となりました。ハイテク銘柄は景気回復を織り込む動きなのですが、利益確定売りもあってまちまちとなり、アップルやグーグルは高く、ヤフーやインテルは安くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円高や外国人が売り越しと伝えられたことから売り先行となりましたが、底堅さを確認して堅調となりました。ただ、方向感はなく、先週木曜日の値幅の中での動きが続いています。もみ合いをどちらに放れるかが注目されますが、値がさ銘柄の一角が堅調となり指数を押し上げ堅調となっただけで、盛り上がりには欠ける展開でした。

 米国市場は好材料があったにも関わらず上値の重い展開となり、日本市場も引き続き方向感のない展開が続くものと思われます。懸念材料が徐々に薄れてはいるので、底堅さが見られ、上値を試す場面もあるのかもしれませんが、最後まで買い切れない状況に変わりなく上値も限定的となりそうです。海外での商品相場も堅調となっていることから、引き続き商社株などは戻りを試す動きとなって来るのでしょうが、為替が円高に振れたこともあり、輸出関連銘柄などは利益確定売りや戻り売りが嵩むものと思われます。内需株、国内小売り株や不動産株などが買われるのかどうかが注目されます。

 引き続き狭い範囲での動きが続いており、先週木曜日の値幅の範疇と言う感じです。10100円から250円の水準をどちらに抜けるのか、抜けた方に大きな動きとなることには変わりなさそうですが、相変わらず決定的な材料に乏しく、本日もこの水準での動きが続くのではないかと思います。円高を嫌気して値がさ輸出銘柄などが売られ、指数を押し下げるような展開になれば、安値を試すことになりそうです。

本日の注目点

◇0〜12月期の法人企業統計(財務省)

◇2月の車名別新車販売台数(自販連)

◇欧州中央銀行(ECB)理事会(フランクフルト)

◇英イングランド銀行が金融政策を決定

◇10〜12月期のユーロ圏GDP改定値

◇決算・10〜12月期:ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.