相変わらず決定的な材料に乏しく「節目」の中での動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年03月03日 17時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10253.14円 △31.30円
売買高 16億5528万株
日経平均先物 10230円
売買代金 1兆2043億円
TOPIX 905.65 △2.94
値上がり銘柄 753銘柄
東証マザーズ指数 412.73 ▼1.77
値下がり銘柄 739銘柄
日経ジャスダック平均 1218.28円 ▼2.95円
変わらず 183銘柄
騰落レシオ 91.50% △5.65%

日経平均

相変わらず決定的な材料に乏しく「節目」の中での動き

 米国市場が堅調ながらも上値の重い展開となり、為替は円高、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も売り越しと伝えられたことから売り先行となりました。ただ、米新車販売が好調なことや商品市況が堅調なことに反応、個別に好調な業績を好感するような動きもあり、指数を下支えして底堅く、底堅さが確認されると戻りを試す動きとなりました。節目と見られる10200円台半ばで上値も重かったのですが、先物にまとまった買いが入ると円高を嫌気して売り先行となっていたハイテク銘柄などに買いが入り、指数を押し上げ堅調となりました。

 後場も引き続き先物へのまとまった買いが期待されましたが、まとまった買いが見られないことから改めて円高を嫌気するように、値がさハイテク銘柄などが売られ上げ幅縮小となりました。それでもむきになって下値を売り叩く、あるいは売り急ぐような動きはほとんどなく、昨日の終値を下回る場面では買戻しも見られて底堅く、いつものことではあるのですが、全くと言っていいほど指数に動きはなく、方向感のない展開となりました。最後は若干買いが入り、後場の高値引けながらもまだもみ合いの中での引けとなりました。

 小型銘柄は見切売りや手仕舞い売りに押されるものが多かったのですが、大きな動きにはならず、東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物は前場はまとまった仕掛け的な買いも見られ、指数を押し上げるような場面も見られたのですが前場中ごろからはまとまった売り買いはあまり見られず方向感のない展開でした。目先筋の売り買いが中心であり、SQ(特別清算指数)算出を来週に控えて積極的に持ち高を増やすような動きにはならないようです。

 一時、節目と見られる先週木曜日の高値を抜けてもみ合いを放れたかと思われる場面もあったのですが、相変わらず腰の据わった買いは見られず、最後まで買い切れないということのようです。米国市場もそうなのですが、先行きに対して自信も確信も持てないことから売り方も買い方も少しでも利益が出れば手仕舞うということのようです。しっかりと先を見ている投資家も慌てて売り買いするタイミングではないということで、しっかりと動きが出るまで売り買いを手控えているということなのでしょう。10100円前後から10200円台半ばの水準でのもみ合いをどちらに抜けるのか、何をきっかけに抜けるのが注目され、上下抜けた方に大きく動くことになるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 基準線や移動平均線が同じような水準にあってサポートとなり、転換線に上値を押さえられる格好となりました。RSIは方向感はなく、ストキャスティックスは下げ足りないながらも上昇となっており、これらの指標を見ても方向感が定まりません。それでも遅行線が日々線に絡むところでもあり、そろそろ動きが出てくるものと思われます。先週木曜日の大きな陰線の中でのもみ合いを上下抜けた方に大きく動くことになるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 基準線や転換線に加え、移動平均線もほぼ同じような水準にあり、しっかりとサポートとして機能しているようです。ただ、遅行線が日々線を意識するところでもあり、上値を押さえられ、上値の重さを嫌気して基準線などのサポートを割り込むと一気に雲を割り込むような大きな動きとなる可能性もあります。遅行線が日々線に絡んでくると逆にサポートを確認しながら雲の上限を目指すことになるのでしょう。RSIやストキャスティックスは上昇が続き上値余地もあるのですが、中途半端な位置にあり、これもまた動いた方に大きく動くことになるかもしれません。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

商品相場の上昇を受けて非鉄株や商社株が堅調

旭硝子(5201) 920 △41

 新聞の同社幹部へのインタビュー記事で2010年12月期の建築・自動車用ガラス事業が2期ぶりに営業黒字に転じると報じられ、業績改善を期待した買いが入り大幅高となりました。

トヨタ(7203) 3420 △105

 2月の米新車販売台数が懸念されたほど落ち込んでおらず、一連のリコール問題の影響も限定的との見方になって買戻しも交えて大幅高となりました。

京セラ(6971) 8050 △50

 円高傾向にも関わらず堅調となりました。2013年3月期の太陽電池の生産量を今期の2.5倍に引き上げると新聞で報じられて素直に好感する買いが入ったものと思われます。

松 竹(9601) 788 ▼1

 昨日の引け後に第三者割当増資を発表し、株式価値の希薄化を嫌気する売りに押されて軟調となりました。それでも、調達資金の用途が明確なことから、財務基盤の強化につながるとして下げも限定的となりました。

ブリヂストン(5108) 1540 ▼15

 原材料の天然ゴムの高止まりや需要の頭打ちなどから、外資系証券が投資判断を「売り」に引き下げたことが嫌気されて売りが嵩み、軟調となりました。

サイボウズ(4776) 40600 △7000

 昨日、2010年1月期通期連結業績予想の上方修正と増配を発表、増配と言うわかり易い好材料に素直に反応して買いが集まりストップ高となりました。

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