ほぼ電気自動車!? ――トヨタ「プリウス プラグインハイブリッド」で都内を走る神尾寿の時事日想・特別編(4/5 ページ)

» 2010年03月03日 11時44分 公開
[神尾寿,Business Media 誠]

PHVは家庭での充電が前提

 水道橋からお台場まで、EVモードオンリーで走りきってMEGA WEBへ。ここで充電を行うのだが、1時間ほどの休憩時間では「満充電は難しい」(トヨタ自動車)とのこと。充電ケーブルを接続すると、エネルギーモニターに充電完了までの残り時間が表示されるのだが、残り2割程度のバッテリー状態で、充電完了予測時間は1.9時間だった。もともと昼間にEVモード主体で使い、夜に自宅で(深夜電力で)ゆっくり充電するという利用シーンを想定しているため、外出先で急速充電することはあまり考えられていないという。

充電中の画面。コンセントのアイコンが表示され、その下に充電完了までの目安時間が表示されている

 「PHVの強みは、バッテリー切れがそのまま、エネルギー切れで走れない、とはならないこと。電池のサイズも無理のない範囲に抑えていますし、利用シーンでも無理して充電スタンドの利用を考えなくていいようにしてあります」(トヨタ自動車 商品開発本部 トヨタ第2乗用車センター製品企画主査 田中義和氏)

 あくまで主体は“家庭での充電”ということだ。なお、プリウスプラグインハイブリッドでは回生ブレーキからの充電もできるが、そもそも外部電源からの充電を想定しているので、回生ブレーキだけで十分な充電をするのは難しい。しかし、「バッテリー系の大容量化が図られた結果、充電効率そのものは3代目プリウスよりも向上している」(田中氏)という。

 さて、MEGA WEBでの休憩後にクルマに戻ると、充電ができた量は全体の7割弱程度。そのため水道橋までの復路はEVモードのみというわけにはいかず、全体走行の4%ほどはガソリンエンジンを使って走った。しかし、往復で約30KmのほとんどのEVモードのみで走れたことは、十分に評価に値するだろう。

水道橋からお台場までの往復30Kmを走り、EV利用率は96%、エンジンを使用したHV利用率は4%という結果だった。往路は首都高を使い、復路は混雑した一般道を走った結果である。都内なら「ほぼEV」と言ってもいいのではなかろうか

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.