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» 2010年03月02日 18時50分 UPDATE

開発に20年! スターバックス「VIA」とはどんなコーヒーなのか

スターバックスコーヒージャパンがインスタントコーヒーを発売する。価格は1杯100円、「店舗と同じような本格的な味わい」をうたう“VIA”とは、どんなコーヒーなのだろうか。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]
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 スターバックスコーヒージャパンは4月14日、スティックコーヒー「スターバックス ヴィア コーヒーエッセンス」(以下、VIA)を発売する。

 スティック1本は2.1グラムでコーヒー1杯分。この粉末のコーヒーを180ミリリットルのお湯や温めた牛乳で溶かして飲用する。「コロンビア」「イタリアンロースト」の2種類で、3本入りが300円、12本入りが1000円。全国のスターバックス店舗でのみ販売する。

 米国、カナダではすでに2009年秋からVIAを販売しており(参照記事)、日本は3カ国目の展開となる。

※2009年春に、米国、カナダのほか、英国(ロンドン)でもテスト販売を行った。

店舗で提供するドリップコーヒーと同じ豆を使用

 VIAとはイタリア語で“road”の意味。開発には20年を要したという。米スターバックスで長年この商品の開発に携わったDon Valencia氏はすでに亡くなっており、彼の名“Valencia”の最初のアルファベット1文字と最後の2文字を取ってVIAと名付けた。

ay_via01.jpg 「スターバックス ヴィア コーヒーエッセンス」12本入りパッケージ。フレーバーは、イタリアンロースト(左)とコロンビア(右)の2種類
ay_via02.jpg スターバックス コーヒー ジャパンCEO岩田松雄氏

 お湯で溶かすだけで飲める粉末のコーヒー……いわゆる「ネスカフェ」「インスタントコーヒー」の一種なのだが、同社ではVIAを「スティックコーヒー」と呼び、従来のインスタントコーヒーとは一線を画していると主張する。

 「VIAはスターバックス店舗と同じ、世界で供給されるコーヒーの上位3%に入る最高品種のアラビカ種コーヒー豆を使用。添加物や保存料を使わず、スターバックス店舗で提供するドリップコーヒーに引けを取らない品質と風味を実現した」(同社CEO岩田松雄氏)

 「イタリアンロースト、コロンビアいずれも、店舗で出しているのと同じ豆を使っている」(同社コーヒーリーダーシップグループ グループマネージャー コーヒースペシャリスト 江嵜譲二氏)

 VIAの最大の特徴は、従来のインスタントコーヒーでは難しかった、コーヒーの香り(アロマ)を再現した点にある。発表会場で試飲したところ、インスタントコーヒーの粉末を溶かした独特の風味ではなく、確かに、ドリップコーヒーに近い味わいが印象的だった(店舗で提供しているドリップコーヒーとまったく同じ味とは思わなかったが)。

“1杯100円”のインスタントコーヒー

ay_via03.jpg マーケティング本部長 堀江裕美氏

 発表会で感じたのは、VIAのポイントは味ともう1つ、“値付け”にあるということだ。簡易ドリップ式のレギュラーコーヒーでも、1杯あたり50円前後が相場。インスタントコーヒーはさらに安いのが一般的なので、VIAの1杯100円という価格はインスタントコーヒーとしてはかなり高い。なぜこのような値段にしたのだろうか。

 同社が狙うのは、実際に店舗にやってくる顧客だ。販売チャネルも、スーパーやコンビニなどに卸さず、店舗のみで展開する。同社マーケティング本部長 堀江裕美氏は、「従来のホームユースコーヒーは、例えばリタイアした夫婦のように、時間に余裕があり、家庭でコーヒーを淹れる習慣がある人々が中心だった。VIAでは(年輩の従来インスタントコーヒーユーザーではなく)若いカフェユーザーを新たにターゲットとしたい。スターバックスの顧客は、オフィスの近くで利用することが多く、郊外など家の近くには店舗がないことも多い。そういったユーザーに、店舗で飲むのと同じおいしいコーヒーを時間をかけずに飲む価値を提供したい」と話す。

ay_via05.jpg VIA用タンブラーも発売予定。まわりにポケットが付いており、VIAをさしておける

 逆に、店舗で飲むドリップコーヒーが290円からであることを考えると1杯100円は安い。「もしタンブラーとVIAを店舗に持ってきて、お湯を入れてくださいと頼まれたら?」という質問に対し岩田社長は「“Just say Yes”の精神なので、リクエストがあれば断らない」としながらも、「むしろVIAのおかげで我々のブランドイメージは高まるはず」とする。「店舗に来る人は、(コーヒーのみでなく)“時間”を買うためにやってくる。店舗のコーヒーとカニバる※ことはない」(堀江氏)

 販売目標についてはノーコメントだったが、「手頃な値段だし、売れる」と自信を見せる。昨年秋から販売されている米国ではVIAの売れ行きは好調で、不振にあえいでいた米スターバックスの業績回復を牽引した。

 「(米国本社とは違い)スターバックスジャパンは昨年、上半期で過去最高の業績を記録し、下期も好調だ。(VIAの投入によって)我々の業績はさらに良くなる」(岩田氏)

※カニバる…「カニバリゼーションが起きる」の略で、市場を食い合うこと。


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