個人消費支出の増加やM&Aを好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月02日 08時31分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10403.79△78.53

<NASDAQ>2273.57△35.31

<為替:NY終値>89.1-89.16

個人消費支出の増加やM&Aを好感して堅調

 英保険大手が米保険大手のアジアの生命保険部門を買収のニュースに加え、医薬品メーカーの買収提案が相次いだことなどから、買い先行となりました。個人消費支出も予想を上回って増加したことから消費関連銘柄に買いが入り、景気回復を好感する格好でハイテク銘柄なども堅調、ナスダック指数は大幅高となりました。ユーロが相変わらず軟調、商品市況も軟調となったことで上値も限定的となりましたが、堅調な地合いが続いていると見てもいいのでしょう。

 欧州の金融不安は拭い切れていないのですが、米国での景気回復が確認されるということで底堅い堅調な地合いとなっています。今週は景況感や雇用関係の指標の発表が多く、そうした経済指標の動向に振らされる状況は続くのでしょうが、景気回復をしっかりと示すものであれば、「出口戦略」に対する懸念をこなしながら堅調な地合いが続き、いくつかの芳しくない指標が見られれば押し目を確認するような展開になるものと思います。

 個別には世界的な医薬品業界再編期待からメルクやファイザーなど医薬品株が堅調、景気の順調な回復を期待してインテルやIBM、などハイテク銘柄も高いものが多く見られました。個人消費支出が予想を上回ったのですが、ウォルマートやGE(ゼネラル・エレクトリック)は軟調となりました。商品市況が軟調となったことでアルコアなど素材株は上値が重かったのですが堅調、エクソン・モービルやシェブロンも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末に円高に振れたことや外国人が売り越しと伝えられましたが、週末のヘッジ売りの買戻しなどもあって堅調な始まりとなり、押し目を確認しつつも堅調な地合いとなりました。ただ、買い急ぐ動きも、買い上がる材料にも乏しく閑散とした中で指数も小動きとなりました。目先的な持高調整で買戻しも見られたようで、上値は重いながらも終始堅調な地合いとなりました。

 米国市場が堅調、特にナスダック指数が大幅高となったことや為替も落ち着いていることから、買い先行となりそうです。ただ、欧州での金融不安は依然として燻っており、また、昨日も堅調な展開となっていたことから、ナスダック指数の大幅高はある程度織り込まれているものとして上値も限定的となってしまいそうです。商品市況が軟調となったことで、非鉄株や資源株などは目先筋の利益確定売りに押される場面もありそうで、ハイテク銘柄なども昨日の上昇でどこまで織り込まれているのかが気になるところです。

 日経平均の10200円台半ばの水準を抜けてくるのかどうかが注目されます。特に売り急ぐ材料はなさそうですが、逆に買い上がるだけの材料にも乏しいという状況です。欧州の金融不安が払拭されないと安心できず、早め早めに利益を確保しようと言う動きが強くなっており、指数も上値が押さえられている感じです。10200円台半ばの水準を抜ければ10500円から600円までは戻るものと思われます。目先的には下値は10000円を意識するところでは下げ止まるのでしょうし、10000円を割り込むような場面では押し目買いも入るものと思います。

本日の注目点

◇2月のマネタリーベース(日銀)

◇1月の有効求人倍率(厚労省)

◇1月の完全失業率(総務省)

◇1月の家計調査(総務省)

◇2月の米新車販売

◇2月のユーロ圏インフレ率

◇決算・5月〜1月期:伊藤園(2593)

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