週末の米国市場が底堅かったことや為替も落ち着いたことから底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年03月01日 16時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10172.06円 △46.03円
売買高 14億8182万株
日経平均先物 10170円 △70円
売買代金 9829億円
TOPIX 898.93 △4.83
値上がり銘柄 1041銘柄
東証マザーズ指数 415.97 △6.78
値下がり銘柄 484銘柄
日経ジャスダック平均 1212.96円 △1.91円
変わらず 153銘柄
騰落レシオ 81.48% △6.87%

日経平均

週末の米国市場が底堅かったことや為替も落ち着いたことから底堅い堅調な展開

 先週末の米国市場は底堅い堅調な展開となったことや為替も一旦円高に振れたものの落ち着いた動きとなり、週末のヘッジ売りの買戻しもあり、買い先行となりました。ただ、物色対象が絞られたわけでもなく、決定的な買い材料が見られたわけでもなく、また、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり寄付きの買いが一巡した後は一旦押し目を確認するように軟調となる場面もありました。押し目での底堅さが見られると目先筋の買戻しもあり、上値は重いながらも堅調な展開となりました。

 後場も前場同様に方向感のない展開となったのですが、前場の高値を抜けるような場面もありました。ただ、積極的に買い上がる、あるいは買い急ぐだけの材料もなく、10200円を超える場面では目先筋の利益確定売りに押され、方向感のない展開となりました。引けを意識する時間帯には目先筋の手仕舞い売りも見られ上げ幅縮小となり、結局方向感のない小動きの展開となりました。最後まで方向感もなく物色対象も絞り切れず、相変わらず目先筋中心の市場参加者のふえない相場展開となりました。

 小型銘柄も堅調なものが多く、値動きの良さを好感して買い上がられるものが見られて東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均は小幅高となりました。先物は相変わらずまとまった売り買いは散発的であり、追随するような連続した売り買いはほとんど見られませんでした。仕掛け的な売り買いも散発的となり、その売り買いが出るところでは指数も振らされるのですが、方向感が出ることもなく、目先筋中心の相場が続いているようです。

 昨日と同様に業績面景気の先行きなどを見据えた売り買いと言うよりはあくまでも目先の手仕舞いの売り買いが中心で目先の需給に振らされています。昨年も2月から3月にかけて持高調整の売りに押されて大きく下落しており、今年もここまで昨年の9月からの相場が1年前の相場とほとんど同じような動きとなっており、ここからは期末をにらんだ持高調整の売り買いが中心となって来るものと思われ、目先の需給要因だけに振らされる展開となるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 引き続き雲の中で基準線に上値を押さえられています。ストキャスティックスも下げ切らないうちに反発となる可能性もあり、RSIは中途半端な位置にありながら上昇となっているようにも見られ、引き続き雲の下限の水準である10000円前後の底堅さを確認しながら上値の試すことになりそうです。雲を割り込むと調整が長引く可能性が強まりのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 雲の下限水準で底堅さが確認されましたが、基準線や転換線に上値を押さえられて、もみ合いとなっています。RSIは上昇が続いているように見え、強含み、ストキャスティックスは下げ足りずにまだ下値を試す動きを示唆しており、もう少しの間、雲の下限のサポートを確認し、基準線に上値を押さえられて方向感のない展開が続き、「抜けた方に大きく動くことになるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

主力銘柄の買い戻しで指数を支える

ダイキン(6367) 3455 △35

 先週末にリチウムイオン電池の性能向上に役立つフッ素化学材料の売上高を2015年度に2008年度の20倍に伸ばすとの目標を発表。素直に好感する買いが入り堅調となりました。

ニフコ(7988) 2076 △72

 前引け後に2010年3月期末配当を従来予想よりも5円多い20円とすることを発表、好感する買いが入り後場から大幅高となりました。業績上振れからの増配で素直に好感されたものと思われます。

住友鉱(5713) 1276 △14

 週末のチリの大地震を受けて、銅鉱山の閉鎖などで銅価格が上昇するとの思惑から、同社を筆頭に非鉄株が物色されました。実際の影響はまだ不透明ながら、銅鉱山の多い国での地震だけに思惑を呼んだようです。

三菱電(6503) 741 △12

 2010年度の太陽電池の年間生産能力を現在より約23%増やすと発表。太陽光パネルで起こした直流の電気を交流に買える住宅用変換装置の生産能力も現在の1.5倍に増強するとして、太陽光発電関連での業績拡大期待から買われ大幅高となりました。

三井不(8801) 1510 △10

 丸紅(8002)と共同で中国での住宅開発に乗り出すと新聞で報じられ、同社にとっては初めての中国での住宅事業となることから、中国の住宅市場拡大の恩恵を受けるとして好感された買いが入り堅調となりました。

岩崎通(6704) 69 ±0

 先週末に2010年3月期連結業績予想の下方修正と期末配当を見送ると発表。業績回復がみられる企業が多い中での下方修正と言うこともあり、嫌気する売りに押されましたが値ごろ感からの買いも入り底堅さも見られました。

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