2009年ジュエリー市場は前年比11.9%減の9283億円、最盛期の3分の1の規模に

» 2010年03月01日 12時01分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は2月24日、「宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査結果」を発表、2009年の宝飾品市場規模は、前年比11.9%減の9283億円となったことが分かった。3年連続の減少で、1991年のピーク時には3兆150億円だった市場規模が、2009年には3分の1以下の水準にまで落ち込んだことになる。

 2008年秋の世界的な金融危機以降、ぜいたく品である宝飾品に対する消費マインドはほかの消費財よりさらに低下しており、2009年全体で見ると百貨店や宝石専門チェーン店の落ち込みが大きかった。また、市場全体の2割近くを占めるブライダルジュエリーも、婚姻件数の減少や単価の落ち込みによって市場が縮小した。

 単価下落に追い討ちをかけているのが「還流市場」の拡大。矢野経済研究所では、「今まで日本で販売されてきた消費者の宝飾品市場在庫(いわゆるタンス在庫)は20兆円に上ると推定され、買取業者の出現によってこれらの宝飾品が市場に流通し始めた。これにより、ダイヤモンドや色石、地金の材料取引単価は大きく下落、また中古品が市場へ流通し始めたことなどによって、店頭価格を押し下げる結果となっている」とコメントしている。

宝石・貴金属小売市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

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