米国株は軟調、大きく円高に振れた割には底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月26日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 方向感のない展開となりました。米国株が軟調、為替も円高となったのですが昨日の下落である程度織り込んでいたことや朝方発表された鉱工業生産指数が予想を上回ったことなどから、買い先行となり、週末、月末と言うことで、積極的に買い上がる、あるいは売り急ぐ動きに乏しいまま小動きとなりました。特に後場に入ると手掛かり難の中、目先筋の手仕舞いの売り買いが中心で全く動きがなくなってしまいました。

 昨日も特に材料のない中で手仕舞い売り、持高調整の売りに押される格好で軟調となりましたが、本日は週末、月末の手仕舞いの売り買いが中心で方向感のない展開となりました。昨日のように特に材料がない中で大きく上げ下げする銘柄も散見されたわりには指数に方向感がなく、相変わらず市場参加者が限られていることで、一つの材料への反応がまちまちとならず、動けば動いたで大きく動き、動かなければ動かないで本当に動かない、と言うことになってしまっています。

 ここのところ、動くときは予想外に大きく動き、動かないときは予想以上に動かないということが多いのではないかと思います。何度もこのコラムで述べているように市場参加者の種類が少ないことがこうした動きとなって表れているものと思われます。人と同じことをする人が多いので相場の方向も一方向に動いてしまうということなのでしょう。ただ、昨年の2月から3月にかけての下落を見てもわかったように、人と同じことをしているだけではしっかりと儲けることは出来ず、人と違うことでもしっかりと下調べをしてタイミングを測りながら信念を持って売り買いすることが必要なのではないかと思います。

 売り買いの理由はそれぞれの投資家によって違うわけですから、期末要因、決算要因などで「やむを得ず売る」と言うようなところでは大きく下落したとしても、そうした売りが止まった途端に戻ることも考えられるわけです。逆に、空売りで下げていた銘柄などの買戻しも同様で特に材料があったわけでもないのに大きく上がるような銘柄は業績云々で買われたわけでもないの買戻しが一巡すると買いが止まってしまう可能性もあるわけです。単に上がっているから買う、下がっているから売るということではなく、その要因をしっかりと分析することが大切なのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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