米国株高を受けて買い先行で始まるも持ち高調整の売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月25日 16時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株が堅調となったことなどから買い先行で始まったのですが、目先筋の見切売りや円高を嫌気する売りなどもあって軟調となりました。後場に入るとブラジルの預金準備率引き上げやギリシャの格下げの話などが伝わり、信用収縮懸念から円キャリー取引の解消=持高調整の売りが出て大幅下落となる場面もありました。持高調整の買戻しや目先筋の買戻しもあって、底堅さも見られましたが世界的な「出口戦略」や欧州の金融不安から信用収縮懸念は拭えないようです。

 目先的な需給だけで動いているようですが、振れ幅も大きくなっています。腰の据わった買いがほとんど見られず、先行きに対する懸念が根強いことから市場参加者は増えず、買い手不在と言う感じです。為替も落ち着いたかに見えたのですが、ちょっとしたニュースに敏感に反応し、何とも落ち着きのない展開となっているようです。期末が近づくと日本でも金利上昇の懸念が強まり、積極的には買い難い中で持高調整の売りに押されてしまうのかもしれません。

 先日日本テクニカルアナリスト協会と言うところで「ローソク足」の見方の話をして来ました。チャート分析は決して「パターン分析」、つまりパターンを覚えるだけではだめなのですという話をして来ました。「チャート分析」と言うとどうしても形と名前を覚えることで満足してしまい、それ以上のことがなかなか習得できない人が多いのではないかと思います。チャートの種類はたくさんありますが、どんなチャートを使っても見るものは同じではないかと思います。

 何を見なければならないかと言うと、「ローソク足」の形ではなく、その形の持つ意味、どうしてその形になると買いなのか、売りなのかを理解しないといけないと思います。細かいことは簡単には言い難いのですが、チャートを「見る」ことが「分析」することだと勘違いしてしまう人が多いと思われます。チャートを「見る」と言うことや形を判断することはあくまでも手段であって目的ではなく、その先を見ていかなければならないということなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.