超低金利継続が確認されて反発清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年02月25日 08時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10374.16△91.75

<NASDAQ>2235.90△22.46

<為替:NY終値>90.14-90.2

超低金利継続が確認されて反発

 朝方発表された1月新築一戸建て住宅販売件数が過去最低水準と発表されたことで、先日の下落の反動から堅調となった相場も上値の重い展開でした。FRB(連邦準備理事会)議長が議会での証言の中で公定歩合は引き上げたものの、超低金利継続を示したことからリスク許容度の低下に対する懸念が薄れ、堅調となりました。一時、前日の下落分を取り戻す場面もあったのですが、目先筋の利益確定売りや戻り売りもあったことから最後は上値を押さえられました。

 FRBに対する信頼が確認されたことで、景気回復トレンドの継続が期待されたものと思います。ドルキャリー取引の解消を急ぐこともないとの見方も確認されたことで、商品市況なども好転、買戻しなども見られたものと思われます。今後も、景気回復度合いを見ながら堅調な展開が続くのでしょうが、引き続き「出口戦略」が取り沙汰されるところでは敏感な反応となって来るものと思います。経済指標の好転、特に個人消費や雇用の更なる好転が見られると「業績相場」に移行していくものと思います。

 個別には超低金利継続ということで全般に堅調ですが、特にJPモルガン・チェースやシティグループ、バンク・オブ・アメリカなど金融株が高くなっています。ホーム・デポは引き続き高く、ウォルマートも堅調と個人消費関連も底堅い堅調なものが目立ち、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)などの景気敏感株やインテル、IBMなどのハイテク銘柄も堅調なものが多くなっています。一方、商品市況も底堅い堅調なものが多いのですが金価格の下落を受けてニューモント・マイニングやパブリック・ゴールドは軟調、アルコアも軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を嫌気して売り先行で始まり、外国人が売り越しと伝えられたこともあり、買い気の乏しい中で大幅下落となりました。円高を嫌気して輸出株が売られ、商品市況が軟調となったことで商社株なども売られ、前日に続きインターネット関連銘柄や業績上方修正となった銘柄などは個別に買われましたが総じて軟調となり、指数はいいところなく大幅下落となりました。

 米国市場が反発となったことや為替も落ち着いたことから日本市場も反発となりそうです。足元の業績面では比較的不安も少なく回復の兆しは見られることから、輸出株などを中心に業績回復を織り込み直すような、売られ過ぎの反動は見られるものと思われます。また、商品市況なども米国の超低金利継続が確認されて底堅さは見られ、日本の企業も価格転嫁も始めており、デフレ脱却の糸口となる可能性もあるので、値上げなどを表明した企業も注目されます。

 日経平均はとりあえずは10100円台での底堅さは確認され、戻りを試すことになりそうです。引き続き10000円台前半での動きが続いており、上値も10500円が近づくと重くなるものと思われます。本日は昨日の下げ幅を取り戻せるのかどうかが注目されますが、10300円台回復は期待しても良いのではないかと思います。ただ、為替が円高傾向を嫌気する動きになれば、10200円台半ばの節目での底堅さを確認するに止まるような戻しとなりそうです。

本日の注目点

◇1月の米耐久財受注

◇09年11月−10年1月期決算:パーク24(4666)

◇10−12月期決算:独BASF、仏クレディ・アグリコル

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