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» 2010年02月24日 08時00分 UPDATE

それゆけ! カナモリさん:統合破談で激化!? キリンVS.サントリーのハイボール戦争 (1/3)

昨今飲食店のお品書きで目にすることが多くなった「ハイボール」。市民権を取り戻しつつあるこのアルコール飲料を巡って、定義争いが勃発している!?

[金森努,GLOBIS.JP]
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それゆけ! カナモリさんとは?

グロービスで受講生に愛のムチをふるうマーケティング講師、金森努氏が森羅万象を切るコラム。街歩きや膨大な数の雑誌、書籍などから発掘したニュースを、経営理論と豊富な引き出しでひも解き、人情と感性で味付けする。そんな“金森ワールド”をご堪能下さい。

※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2009年2月18日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。


ah_kana1.jpg Creative commons.Some rights reserved.Photo by yto

 「ハ〜イボ〜ル、ハ〜イボ〜ル♪」。ディズニー映画・白雪姫の劇中歌をナインティナインの岡村隆史が大航海時代風の帆船の上で高らかに歌うCM。キリン「世界のハイボール」だ。しかし、商品は「樽熟成ウイスキーソーダ」と「樽熟シェリーソーダ」。ちょっと待て。「ウイスキーソーダ」は確かにハイボールそのものだ。だが、「樽熟シェリーソーダ」はないだろう! と突っ込みを入れてみたくなる。……だが、この展開、実は根っこが極めて深いのだ。

 ウイスキーを炭酸水で割ったハイボール。「おじさんが1人、安居酒屋で飲む物」といったイメージを持っている読者もまだ多いかもしれない。実は、昨年復活したのだ。2009年12月2日付日経MJの記事「2009年ヒット商品番付」にランクインしている。

 サントリーは一部のおじさんの飲み物だったハイボールの復権に成功した。ウイスキー「角瓶」は2009年の出荷量が前年比3割増の220万ケースに。ハイボールをメニューに載せる店が同4倍の6万店に増えたこともあり、業務用は2倍にふくらんだ。若者のファンも獲得し、缶飲料も登場。ウイスキー市場は1998年以来、11年ぶりに拡大に転じる見通しだ。

 若者の間でひそかに流行を始めていたハイボールに目をつけ、女優の小雪を起用したCMやハイボールサーバーを開発するなど、サントリーは拡販戦略に力を入れてきた。飲食店にとっても原価が安く利益率の高いハイボールは魅力的商品で、一気に普及。昨年10月には家庭で手軽に楽しめるよう350ミリリットル缶「角ハイボール」も上市した。

 サントリーが火をつけたハイボール人気に、いち早く動いたのが、キリンだった。

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