先週末は過剰な反応で大きく下落、そのせいで昨日は過剰に反応して今度は買われすぎ、そしてその修正で本日は軟調ながらも底堅い動きとなりました。足元の業績改善は見られるものの決算期を意識して、買い急ぐ動きもなく、目先の需給に振り回されている感じです。外部環境の悪さもあって、好決算を発表しながらも大きく売られたものもあり、見切売りや利益確定売りもある程度出たものと思われ、底堅さが見られたものから買い直されるのかもしれません。
先週末から昨日にかけて、海外要因での上げ下げなのですが、過剰な反応となっているようです。「降れば土砂降り」と言うわけでもないのでしょうが、一旦動きが出ると一斉に同じ方向に動くということが多く、上昇する場合でも下落する場合でも常に行き過ぎては修正をするということが続いているのではないかと思います。基本的には「足元の業績は好調なのだが、先行きの不透明要因が多すぎる」と言うことなのでしょう。
底入れ確認と思われても上値の重さを嫌気するような売りが出ると、特に何がどうしたわけでもないのに一斉に売られるというようなことではないかと思います。ただ、最終的には足元の業績回復を徐々に織り込みながら、「金融相場」から「業績相場」に移行していくものと思われ、当面は決算期末を意識するような売りが出る場面では売られれば売られるほど反発するのではないかと見ておいてもいいのではないかと思います。
結局は中国の金融引き締めでも完全に閉めるわけではなく、ブレーキを踏んでスピードが落ちるようであればまたアクセルを踏むことになるのでしょうし、米国でもとりあえずアクセルの踏み込みを弱めた程度であり、欧州でもアクセルの調子は良くないのですが、しっかりと踏み込めば何とか前に進み、そのうち、油が回ってしっかりと踏み込めるようになり、アクセルが踏み込めればまた加速するということでしょう。日本も車体は十分軽くし、ガソリンもたっぷり積み込んで、アクセルを踏んだものの反応が鈍いという状況であり、そのうりアクセルの反応がエンジンまで届くと思われます。目先的にはカーブも多くスピードが出ませんが、バックギアに入っているわけではなく、前に進んでいるのでスピードの落ちたところはしっかりと乗って見てもいいと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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