先週の上昇の反動や利益確定売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年02月23日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10383.38▼18.97

<NASDAQ>2242.03▼1.84

<NY為替>91.14▼0.38

先週の上昇の反動や利益確定売りに押されて軟調

 特に注目される経済指標の発表はなく先週の堅調な相場を受けて利食い先行、戻り売り先行となりました。押し目での買い戻しなどもあり、堅調となる場面もあったのですが、欧州での金融不安も拭いきれず早め早めに利益を確保しようと言う動きも見られたものと思います。商品市況も上げ一服となる場面もあり、一旦リスクを縮小する動きから手仕舞い売りに押されたものと思われます。

 売り材料が取り沙汰されたわけでもないのですが、「業績相場」への移行が確認されていないことで、利益確保も早めに出てくるようです。センチメントは決して悪くないのですが、欧州での金融不安や米国の金融規制の問題などが引き続き尾を引いて積極的には買い切れないということなのだと思います。ただ、足元の業績回復が見られることから、売り急ぐことにはならないものと思われます。

 個別にはホームセンター大手ロウズが利益見通しが予想を下回ったことから売られましたが、ホームデポやウォルマートは堅調となるなど影響はなく小売り株全般にしっかりとしていました。油田サービスのシュルンベルジェが同業のスミス・インターナショナルを買収すると発表、財務負担を懸念した売りに押されて大幅安となりました。USバンコープが投資判断の引き上げを受けて買われ、地区連銀総裁の超低金利が継続するような発言を受けてJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株は総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国市場が懸念されたのとは逆に堅調となったことから、先週末の大幅下落の反動から大幅高となりました。過剰反応で売られすぎたものが買戻しなども交え買い直されたものと思われます。業績回復を示す決算を発表しながらも中国の金融引き締め懸念や欧州の金融不安、米国の出口戦略懸念から売られていたものがどの懸念材料も一段落となったことで、買い直されたものと思います。

 米国市場は一服となり、為替も円高となったことで日本市場も戻り一服となって来そうです。それでなくても昨日の行き過ぎた戻りの調整となりそうだと思われたところで利益確定売りや見切売りを急ぐ場面もあるのかもしれません。売られ過ぎの修正となった資源株やハイテク銘柄などは戻り一服となるのでしょうが、個別に業績面で割安感が強いような銘柄は底堅い堅調な展開となるものと思います。

 日経平均は10100円台半ばから200円台半ばでの底堅さを確認して10500円から600円の節目を目指すところだと思われます。本日は10300円を割り込むような水準では10200円台半ばの節目を意識して下げ渋るのでしょうし、10500円を意識するところでは米国市場などの上げ一服ということや昨日の大幅高の後ということもあり、上値が重くなるものと思います。景気回復、業績回復を織り込む状況ではあるのでしょうが、期末を意識した動きになると持ち高調整の売りに押されることになるかもしれません。

本日の注目点

◇12月の全産業活動指数(経産省)

◇2月の金融経済月報(日銀)

◇1月の米消費者物価指数

◇決算・12月期:ブリヂストン(5108)

◇決算・10−12月期:スイス・ネスレ

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