公定歩合引き上げも金融正常化との見方で売り材料とならず堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年02月22日 08時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10402.35△9.45

<NASDAQ>2243.87△2.16

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公定歩合引き上げも金融正常化との見方で売り材料とならず堅調

 前日の引け後に公定歩合の引き上げが発表され、時間外取引で軟調となっていましたが、朝方発表された1月の消費者物価指数(CPI)で「コア指数」が予想に反して下落、インフレ懸念が高まることはないとの見方から「金融引き締め」懸念が後退し、底堅さが見られました。FRB(連邦準備理事会)理事や地区連銀総裁が早期利上げの憶測を否定する発言をしていたことも公定歩合引き上げの影響を緩和していました。欧州金融市場に落ち着きが見られたことや商品市況などが実需の買いで底堅い堅調な展開となっていることも安心感を与えたものと思います。

 順調に「金融相場」から「業績相場」への移行が行われているようです。「公定歩合引き上げ」と言う「金融引き締め政策」とも捉えられかねないことも足元の業績が好調な証拠と言うような受け止め方となり、商品市況の上昇も単に投機的な動きだけではなく景気回復を織り込むものとして見られており、方向感は良いと思います。センチメントもしっかりと上向いており、引き続き業績回復、景気回復を織り込んで底堅い展開となるものと思います。

 個別には前日の引け後に決算発表したデルが粗利益率の低下が嫌気されて売られ、連れてインテルやIBM、アップルなどハイテク銘柄は軟調となるものが目立ちました。JCペニーが1月期の1株利益見通しが予想を大きく上回り大幅高、ウォルマートも底堅い堅調な展開となりました。原油や金など商品市況は堅調でしたが、シェブロンが高く、エクソン・モービルが安いなど石油株はまちまち、金鉱株はパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングが高くなるなど堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国が公定歩合を引き上げたことからその影響を懸念して手仕舞い売りが嵩み大幅下落となりました。円安を好感する動きも見られたのですが、それよりも週末の米国市場の動向が気になり、手仕舞いを急ぐことになったものと思います。下値を売り叩くという動きではなく、買い気に乏しい中で見切売りに押された格好で、売買高も少なく、好材料に反応するよりも米国市場の動向を見極めたいという動きが強かった相場でした。

 週末の米国市場は日本で懸念されたような下落とならず、堅調な展開となったことや為替も対ユーロなどでも落ち着いていることから、買い戻しが優勢な堅調な展開が期待されます。週末のヘッジ売りの買い戻しや米国景気の回復を織り込むような輸出関連銘柄の切り返し、反発が期待されます。商品市況なども海外で堅調となっており、商社株なども買い戻しを交えて堅調な展開が期待され、欧米での金融不安も薄れ、金融株なども買い戻しが入るのではないかと思います。

 日経平均は節目とみられる水準での底値固めとなりそうです。しっかりと反発してくれば10100円台半ばから200円台半ば水準での底堅さを確認して次の節目と見られる水準である10500円から600円水準を目指すことになりそうです。戻りの鈍さが確認されて、持合解消や持高調整の売りがかさむようであれば10000円を割り込んで押し目を確認することになるのでしょうが、もう少し先になりそうで、一旦は10500円から600円水準までの戻りを試すことになりそうです。

本日の注目点

◇12月の全産業活動指数(経産省)

◇2月の金融経済月報(日銀)

◇1月の米消費者物価指数

◇決算・12月期:ブリヂストン(5108)

◇決算・10−12月期:スイス・ネスレ

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