米公定歩合の引き上げで手仕舞い売りが嵩んで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年02月19日 16時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10123.58円 ▼ 212.11円
売買高 18億3313万株
日経平均先物 10140円 ▼190円
売買代金 1兆2781億円
TOPIX 889.08 ▼15.65
値上がり銘柄 162銘柄
東証マザーズ指数 393.23 ▼2.52
値下がり銘柄 1426銘柄
日経ジャスダック平均 1195.55円 ▼4.77円
変わらず 91銘柄
騰落レシオ 70.35% ▼8.05%

日経平均

米公定歩合の引き上げで手仕舞い売りが嵩んで大幅下落

 米国市場は堅調、為替も円安となったのですが、米国市場が引けた後に公定歩合の引き上げを発表したことから様子見気分の強い始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が株数ベースでは買い越しながらも金額ベースでは売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きから公定歩合の引き上げを織り込み切れず、方向感のない展開となりました。ただ、上値の重さが確認されると週末ということもあり手仕舞い売りや見切り売りが嵩んで下げ幅を広げ軟調となりました。

 後場に入るとますます買い気に乏しい展開となり、下げ幅拡大となりました。今晩の米国市場動向を見極めたいという動きから買い手控え気分は強く、ヘッジ売りなども交えてちょっとした手仕舞い売りが出ると指数を大きく押し下げる動きとなりました。買戻しを急ぐ動きはほとんどなく、為替も朝方に比べると円高となったことで、「円キャリー取引」の期待も持てず売り急ぐ場面もみられました。結局最後まで買いは入らず、見切り売りは続き、節目と見られる10100円台半ばでは下げ渋ったものの大幅下落、安値引けとなりました。

 小型銘柄も見切り売りが嵩んで軟調となるものが多かったのですが、主力銘柄ほど売り急ぐ動きもなく、軟調ながらも下げ幅限定となりました。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物は散発的にまとまった売りが出て指数を押し下げる場面もありました。追随して売り叩くような動きはないのですが、ヘッジ売りも交えながら買戻しを急ぐ動きは見られず、指数を下支えする場面も押し上げる場面もほとんど見られませんでした。

 少し過剰反応ではないかと思われるような反応でしたが週末ということを考えると何もここでしっかりと持ち高を増やすわけにはいず、手仕舞い売りが優勢となってしまうのは致し方ないということでしょう。円安に素直に反応出来ないのも米国市場の反応を見たいということだけであり、業績云々ということではないので、円安傾向が続く、つまり、日本の金利が上昇するようなことがなければいずれ円安を好感する動きも見られるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 基準線を意識しながら上値の重さを確認して大きな下落となりました。転換線にサポートされ、RSIやストキャスティックスも上昇が続いていると見られ、底堅い展開は期待されます。雲の下限にはサポートされるものと思われ、底堅さを確認してから下落が続く基準線までの戻りを試すような展開になってくるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 転換線や雲の下限でのサポートを確認するような格好となりました。それでもまだRSIやストキャスティックスは上昇が始まったばかりでもあり、上値余地はおおきく、下値のサポートを確認しながら下落となる基準線までの戻りを試す動きとなって来るものと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

目先の強弱感が対立、まちまちの展開

古河電(5801) 448 △7

 2月8日に2010年3月期の連結業績を上方修正したが、更なる上振れが期待できるとして国内証券が投資判断を引き上げたことから買われ、堅調となりました。

太平洋セメ(5233) 115 △4

 同社を筆頭にセメント各社が堅調となっています。セメント各社が国内生産能力を一斉に削減すると新聞で報じられ、同時に太平洋セメントはベトナムなど海外では増産をすると報じられたことが好感されて大幅高となりました。

スミダコーポ(6817) 837 △83

 昨日の引け後に2010年12月期の連結最終利益が黒字に転換する見込みと発表されて、素直に好感する買いが入り大幅高となりました。総じて軟調となるなど幕間つなぎ銘柄としても目先筋の買いを集めたものと思います。

東 芝(6502) 441 ▼13

 発光ダイオード(LED)を搭載した省エネルギー型の液晶テレビの販売を2010年度は引き上げる、また住宅用の太陽光発電装置の市場に参入するなどが新聞で報じられましたが、朝方は好感する買いも見られたものの、地合いの悪さや週末の手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

GSユアサ(6674) 598 △14

 地合いの悪い中、幕間つなぎ銘柄として値動きの良さなどが好感されて買われ堅調となりました。特に材料があったわけではないのですが、大手証券が設定した「京都市に本社のある銘柄」が組み込まれる投資信託への思惑もあって買いが入ったものと思われます。

三井不(8801) 1461 ▼66 、 菱地所(8802) 1354 ▼61

 両社だけではなく不動産株全般に大きく値を下げるものが目立ちました。不動産投資ファンドが債務超過となったと報じられたことが嫌気されたことに加え、米国公定歩合の引き上げの影響を取り沙汰して大きな下落となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.