大幅高の後で手詰まり感が強く上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月18日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日のようにいったん反応し出すと大きな反応となるのでしょうが、本日のように反応し難い相場となると途端に方向感のない展開となってしまうようです。先行きの不透明感が強いことからしっかりと買い切れず、利益確定売りを急ぐことになるのでしょう。米国でも「出口戦略」が取り沙汰されるということは景気回復が確認されつつあるということなのですが、景気回復よりも目先の動きが気になるということで買い切れないものと思います。

 米国の後を追うように新興国の景気回復を織り込む格好で輸出企業の業績からしっかりと回復しているのでしょうが、米国と同じ用に国内にその動きが流れてこないということでしょう。新興国で製造しているものが新興国で消費され、「外−外」の動きで国内での消費などにつながっていないということなのでしょう。

 それでも企業業績が回復しているということも今後世界的な金融不安や出口戦略がこなされてくれば、改めて見直されるものと思います。まだ、需要増による業績の回復ではなく、コスト減による業績回復と言う捉え方がされており、業績回復を実感として感じられず、「景気は悪い」と思いがちですが外国人の日本での買い物の状況などを見ていると「景気は良い」と言うことがはっきりとわかるのではないかと思います。

 新興国で利益を上げている企業も、子供手当てなどを貰う家庭も同じように「この先どうなるかわからないから余分なお金は使わずにためておこう」と言うようにお金を溜め込んでしまい、ますます景気の回復が鈍くなっていると思います。ただ、企業業績の回復や内部留保の増大、がいずれ設備投資や雇用不安の解消、賃金の上昇に結びついてくるものと思われ、改めて業績回復を織り込む相場となって来るものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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