欧米株高、商品市況高を好感して買われ大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月17日 17時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 欧米の株が大幅高となったことから、日本市場も大幅高となりました。業績面からの見直し買いもあったものと思われますが、何を心配して昨日買わなかったのか、と言う感じです。昨日と今日で何か変わったかといえばギリシャの再建が決まったというだけのことであり、まだ予断を許さないと見られてもおかしくはありません。また、金融規制も欧州では採用しないと伝えられたことも金融不安、信用収縮懸念を緩和することになったものと思います。

 外部環境の好転で大幅高となりましたが、業績の回復や為替の動向を見るとまだまだ売られ過ぎと見られるものも多いのではないかと思います。市場のセンチメントが上向いている中で世界的に景気回復が認められるなかで、好決算を発表しながら売られた銘柄などの反発は大いに期待されていただけに海外の懸念要因が薄らげば買戻しも入るということなのでしょう。ただ、この上昇が長続きするのかどうかはまだまだ疑心暗鬼であり、最後まで買い切れる銘柄は少ないのではないかと思います。

 商品市況の上昇も株高の大きな要因ですが、こうした外部環境には反応するものの企業業績動向や経済指標への反応は鈍いような気がします。企業業績などもどこまで織り込まれているのかわかり難いところもあり、また経済指標などは業績への影響を後から追認するようなことが多いことも反応が鈍い要因かもしれません。ただ、株価の動きを測りにくいということが一番の要因となっているものと思われ、結局は目先的な需給要因などでの株価の動きでその銘柄が買いか売りかを判断しているようなところがあるものと思います。

 本来であれば、株価はあとから付いて来るようなものはずですが、株価が業績の良し悪しを判断しているような面も大きいと思います。ただ、画期的な新技術などへの反応は鈍いのですが、後から効いて来る事も多く、新しい画期的な技術などが開発されたと発表されたときなどはそのときに株価への反応が鈍かったとしてもしっかりと把握しておく必要もあるのではないかと思います。電池の材料やLED(発光ダイオード)、液晶フィルムなど今後の技術の発展が期待されるようなところは特にしっかりと抑えておいた方が良いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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