芳しくない経済指標、中国金融引き締めに3連休を控えた手仕舞いの売りが入りまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年02月15日 08時50分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10099.14 ▼ 45.05

<NASDAQ>2183.53△6.12

<為替:NY終値>89.92-89.98

芳しくない経済指標、中国金融引き締めに3連休を控えた手仕舞いの売りが入りまちまちの展開

 中国人民銀行が預金準備率を引き上げると発表したことで金融引き締め懸念から商品市況が売られ、大幅下落となる場面もありました。ユーロ圏域内総生産(GDP)の伸びが予想を下回ったことやミシガン大学調査の消費者態度指数も予想を下回るなど3連休を控えて手仕舞い売りを急ぐ要因が多く、売り先行となったものと思われます。ただ、ダウ平均が10000ドルを割り込む場面では連休を控えた買戻しなどもあって底堅く、足元の業績を見直すような格好でハイテク銘柄なども買われ、底堅い堅調な展開となりました。

 ダウ平均はマイナス、ナスダック指数は堅調ということで示されたように、足元の業績は回復が見られ、売り難いのですが、中国の金融引き締めや欧州での景気回復のもたつきなども気になるところで、政策面での後押しがないと株式市場を押し上げるような要因とならないようです。為替もユーロが軟調となるなど今一つリスク許容度は上昇しておらず、商品市況も戻りきらないところを見ると「調整局面」ということには違いなさそうです。業績の更なる回復が見られ、出口戦略をこなせば「業績相場」への移行となるのでしょう。

 個別には商品市況が軟調となったことでアルコアなど素材株やパブリック・ゴールド、ニューモント・マイニングとった金鉱株、シェブロンやエクソン・モービルなどの石油株などが安く、中国での金融引き締め懸念からGE(ゼネラル・エレクトリック)も軟調となりました。投資判断の引き下げが伝えられたスリーエムも軟調となりました。業績回復を織り込み直す格好でインテルやアップルといったハイテク銘柄は高く、会社分割を発表したモトローラは大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高などを受けて大幅高となりました。ただ、飛び石連休の谷間ということもあり、市場参加者も相変わらず少なく、指数は大幅高となりましたが、盛り上がりに欠ける展開となりました。外国人も買い越しと伝えられ、好決算の発表などに敏感に反応する格好となりましたが、全般的には買戻しが中心ではないかと思われます。

 週末の米国市場はまちまちとなりましたが、一時期の金融不安や金融規制に対する懸念などからは一段落となったものと思います。中国の金融引き締めも欧米市場と同様に多少の影響はあるものの売り急ぐ動きにはなり難いと思います。米国や中国などが休日となることもあり、底堅さを確認するような動きにはなるのでしょうが、上値も限定的となりそうです。商品市況も上げ一服となったことから、商社株などは利益確定売りに押されるかもしれませんし、ハイテク銘柄などもユーロ安を嫌気するような動きになりそうです。ただ、足元の業績が好調とされる銘柄には見直し買いも見られるものと思います。

 朝方発表されるGDP(国内総生産)が大きく予想とずれるようなことがない限り、日経平均は引き続き戻りの目処と見られる10100円台半ばから200円台半ばを目指しながら10000円台を固めるような動きとなるものと見られます。当面は9900円から10000円水準を下値、10500円から600円を上値としたもみ合いとなるものと思われ、大きな方向感は出難いのではないかと思います。

本日の注目点

◇大証が東工取の商品指数に連動するETF上場

◇2009年10−12月期のGDP速報値(内閣府)

◇12月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇1月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向(不動産経済研究所)

◇ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)

◇米プレジデンツ・デー(米市場休場)

◇1月のインド卸売物価指数

◇決算・12月期:コカ・コーラCJ(2580)、コクヨ(7984)

◇決算・10−12月期:学研HD(9470)

◇決算・10−12月期:仏ロレアル、独MAN

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