コラム
» 2010年02月15日 07時47分 UPDATE

藤田正美の時事日想:民主党よ……労働組合の“顔色をうかがう”ことを止めよ (1/2)

「民主党に日本の閉塞状況を打破してほしい」――昨年8月末の衆院選、こう願って1票を投じた人も多いはず。しかし半年が経ち、鳩山内閣の支持率はジリジリと下がってきているが、その要因のひとつに労働組合の存在があるのではないだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 鳩山内閣に日本の閉塞状況を打破してほしい――。2009年8月末、多くの国民がそう願って投票したはずだった。日本の閉塞状況とは、ひとつは景気であり、そして将来への不安である。そして何の解決のビジョンも提供できない政治の貧困であったはずだ。

 そして国民の期待を担って鳩山政権は出発した。小泉元首相が2001年に自民党をぶっ壊すと叫んで登場したときほど高い支持率ではないが、実際のところ鳩山首相への期待は支持率以上に大きかったのだと思う(つまり「お手並み拝見」も含めてということである)。

 そして半年、鳩山内閣の支持率はじりじりと下がっている。民主党の小沢一郎幹事長の裏献金疑惑、鳩山首相の「脱税」疑惑などは、クリーンな政治を標ぼうしてきた民主党にしては、その処理の仕方といい、途中の説明といい、自民党時代とどこが違うのかと思った有権者は少なくあるまい。

労働組合は基本的に「保守的」

 先日、テレビのニュースを見ていたら、公務員制度改革関連法案の閣議決定が流れたというニュースをやっていた。その中で、連合の古賀伸明会長に記者がこう質問した。「(法案の内容について)松井官房副長官や仙石大臣と会われたのですか」

 これに対し、古賀会長はこう答えた(私が仰天した部分である)。

 「松井とも、仙石とも……松井さんや仙石大臣とも会ったよ」

 これが日本労働組合総連合会という労組のナショナルセンター(加盟組合員約680万人)のトップの発言である。まるで政府を裏で操っているのは自分だと言わんばかりの態度ではないか。

 680万といえば票田として大きいだろうが、公明党の支持母体である創価学会は700万票ほど。その意味では、それほど大したものでもあるまい。みんなの党の渡辺喜美代表はこの連合の姿勢を「天下を取ったつもりになっている」と評した。その通り、おかしな話なのである。

 日本は、かつてのような「総労働」という階級対立の時代にあるわけではない。自民党VS. 社会党という55年体制の背後にあったイデオロギー対立は旧ソ連やベルリンの壁が崩壊して、基本的には雲散霧消してしまった。社会主義や共産主義というイデオロギーが実際にはうまく行かないことを歴史的に証明してしまったからだ。

 そして労働運動もかつてほどの勢いはどこにもない。労働者の生活を守るという意味では、もちろん一定の役割を担っているのだが、経済が右肩上がりでなくなった今、労働組合は基本的に雇用側と一心同体で雇用を守ることが第一義になっている。そうなればなるほど、労働組合は基本的に「保守的」になるのは避けられない。現状を変えるということは、労働者にもしわ寄せが来ることは避けられない。効率化などということになれば「労働強化」以外のなにものでもない。

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