欧州での金融不安が一服、米国も「出口戦略」を織り込んで大幅高となったことを好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月12日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことから買い先行で始まり、途中買い一巡感から上値の重さを確認する格好となりましたが、最後は買戻しも入り大幅高となりました。目先筋の買戻しもあってヘッジ売りをあっさりとこなし、大幅高となったものと思います。市場参加者はいっこうに増えず、上値の重い場面も多かったのですが、好決算に敏感に反応、業績回復を織り込む格好で大幅高となりました。

 決算動向に敏感に反応する動きが強くなっています。これまでは欧州の金融不安や米国の金融規制懸念や出口戦略懸念、中国の金融引き締め懸念から好決算を発表しても出尽くしとなるものが多かったのですが、日経平均が10000円を割り込んでから切り返し押し目を確認できたことから、素直な反応となって来たものと思います。まだ先行き懸念が払拭されたわけでもなく上値を買い上がる動きも限定されていますが、米国市場のように徐々に業績回復を織り込む動きとなって来るものと思います。

 業績回復を織り込む場面では出口戦略も取り沙汰されて来るのでしょうが、来週は日銀の金融政策決定会合も行われることから、会合を前に出口戦略懸念が強まる可能性もあるのではないかと思います。日本ではデフレ懸念が強いことから、すぐに金利が上昇したり、金融緩和政策が変更されることはないと思いますが、ここ何年か2月の日銀の金融政策決定会合にかかる時期に一気に円高になったり、大きく株が下がったりすることも多く、ここまで昨年と同じような動きとなっているだけに注意して見る必要もあるかもしれません。

 目先の需給に振らされることが多い相場であり、金融政策の変更の可能性が0.1%でもあれば一旦持高を調整するような動きもあるかもしれません。もちろん買い戻しと言う手仕舞いの方法もあり、必ずしも指数が大きく下押すわけでもないのでしょうが、ここでもう一度「市場で何が起きているのか」「誰が何をしているのか」を冷静に確認して見ても良いかもしれません。「ホッ」としたところだけにもう一度、足元の立ち位置を確認して見ても良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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