あなたも迷っていませんでしたか? 27歳ころの転職吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

» 2010年02月12日 08時33分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
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 そして、中国進出という事業戦略が思い描いたように進まなくなる。結局、経営陣は「もう止めよう」といった判断をする。一部のメーカーはこうしたオチになっている。この事業戦略と人事戦略がバラバラで動いていることに、新卒採用も巻き込まれていることには注意が必要だ。

 ここ数年は人事部が中心となり、こういう悪しき慣行をなくそうとしている会社もある。俗に言うところの「戦略的人事部」である。人事部員が各部署の責任者(部課長)らと一体となり、その部署の社員の評価、育成、配置転換、ときにはリストラなどを行う。これまでもこうした試みは行われてきたが、最近は一段と人事部と現場の責任者の関係が強くなってきている。

2度とこんな会社に戻るものか!

 最後に、小見山氏が話していたことを紹介し締めくくりたい。少なくとも、私には考えさせる言葉だった。かつて愛読していた『27歳の転機』にも、このような言葉が書かれてあった。

 「会社を辞めるとき、感情的になってはダメだ! 安易に辞めて、“こんなはずじゃなかった”なんて思わないように石橋にひびが入るくらい叩いてからにしないといけない。いったん辞表を出した以上、独立するにしろ次の職場に行くにしろ、ふり返ってはいけない。“2度とこんな会社に戻るものか!” という思いで前進しないと、道は開かれない。

 落ち込んだら、どんどん落ち込むのが人間の性。ダメだね。落ち込んだら……。つねに、なんとかなる! そんな思いで生きていけば、若い人もきっと進むべき道が見えてきますよ」

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