毎月25ユーロをカロリーナに。“顔の見える”支援とは松田雅央の時事日想(2/3 ページ)

» 2010年02月09日 09時56分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

 スポンサーとなることを希望する人は支援対象国を選べるが、筆者はプラン・ドイツに一任し、その結果選ばれたのがパラグアイのカロリーンだった。ドイツに済む日本人が、これまで何のつながりもなかったパラグアイの子どもを支援するというのも、ひとつの縁であろう。

 プランは手紙のやり取りを奨励しているが、郵便事情が整わない地域とやり取りするため片道2カ月かかることも珍しくない。その間には英語で書いた手紙を現地スタッフが翻訳する手間も入り、パラグアイならばスペイン語になる。小さな小包ならプランのスタッフを通して送ることもでき、途上国の子どもたちが喜びそうなプレゼントのカタログまで用意されている。

子どもたちに送るプレゼントのカタログ(左)、スポンサーが希望すれば支援している家族を訪ねることもできるが、支援対象地域は交通の不便なところにあるから大変だ(右、出典:プラン)

問われる透明性

 プランに限らず、組織を通して途上国を支援しようと思う場合、支援金が正しく利用されるか、どれほどの割合が相手に渡るのか気になる。国際的な自然災害には多額の寄付が集まるものの、心無い人々によって寄付金や支援物資がかすめ取られたり、信用のおける団体であっても組織運営に費用がかかりすぎるため、被災者に渡る金額は驚くほどわずかになるという話も聞く。

 信用できる団体だからと思いプラン・ドイツの活動に参加しているわけだが、その資料によれば支援金の使途は「実際に現地へ届けられる寄付」が81.7%と極めて高い。次いで「配布資料作成、広報活動、寄付勧誘活動」(8.2%)、「人件費、運営費」(6.0%)、「子ども達と里親の交流(紙、印刷代)」(2.3%)、「スタッフの教育・訓練」(1.8%)となっている。

 筆者のようなスポンサーが収める月々の支援金(相手に渡るのは25ユーロの約8割)がどれほどの価値を持つかは地域によって差があるが、プラン・ドイツによれば支援効果はその子の家族だけではなく、親戚、隣近所、村全体へ波及するという。

スポンサーが納める支援金の使途(出典:プラン)

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