毎月25ユーロをカロリーナに。“顔の見える”支援とは松田雅央の時事日想(1/3 ページ)

» 2010年02月09日 09時56分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

松田雅央の時事日想:

著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


プランのパンフレット

 先日、途上国支援国際団体“プラン(PLAN)”から手紙が届いた。筆者が2年前から支援しているパラグアイの少女カロリーナ(11歳)の近況報告のほか、プラン・ドイツの活動報告、カロリーナの元気な写真が添えられていた。筆者は途上国の子どもとその家族を経済的に支援するスポンサーシップ制度に参加し、プランを通してカロリーナの家族に毎月25ユーロを送金している。

 途上国支援にはさまざまあるが、私がプランを選んだのは顔の見える支援のできることが理由だ。「顔が見える」というのは文字通り生活の様子を知ることができるというだけでなく、寄付金の使途を含めた透明性が保たれ、支援活動の具体的内容が分かることを意味する。今回の時事日想は“プラン”の途上国支援活動についてレポートしたい。

支援する側とされる側の交流

 プランの活動は70年余りの歴史を持つ。1937年のスペイン内戦時、英国人ジャーナリスト、ジョン・ラングドン・デーヴィスはサンタンダー村の道でこんなメモを持つ小さな男の子を見つけた。「この子の名はジョゼ。私は父親です。もしサンタンダーが占領されたら私は殺されます。この子を見つけた方はどうか面倒を見てやってください」。この出来事をきっかけに設立されたプランは、現在、途上国49カ国で支援活動を行い、ドイツ、日本を含む17カ国の支援組織(スポンサー/里親 計110万人)がそれをサポートしている。

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