「日本売り」の様相を呈し、軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月04日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株は底堅く、為替も円安に振れたのですが、前日までの上昇の反動などから日本市場は軟調となりました。前場は上値の重さを確認して、後場は上値の重さを嫌気して売り直される格好で軟調となりました。決算動向も引き続き堅調な底堅いものが多いのですが、センチメントの悪さから利益確定売りや材料出尽くし感や期待が強かったということでの失望感から売られるものも見られました。決算に反応しているようで実は目先の需給に振らされているといった展開で、相変わらず市場参加者が少ないということなのでしょう。

 米国での金融規制に対する懸念は一服となっていますが、規制強化は資金の流れを止める可能性もあり、引き続き規制強化に関しては注意が必要ではないかと思います。また、自動車のリコール問題などから、日本製に対する失望感というものが出てくると「日本売り」となる可能性もあり、円安でも株価が上がらない、という本日のような展開となってしまう可能性もありそうです。国内需要が盛り上がらない中ではどうしても海外で「稼ぐ」しかなく、資金だけではなく、製品も「日本離れ」となるとそれでなくても市場参加者が少ないなかで影響は大きいものと思います。

 市場の規制が「不祥事」が起こると市場の規制も強化されるのですが、これまでもいろいろな規制が強化され、日本の市場はがんじがらめになっているような気がします。「何でもあり」の世界が必ずしも100%良い世界というわけでもないのでしょうが、「あれもだめ、これもだめ」になると資金の流れが滞ってしまうことも考えられます。今年から始まった新システムも発注スピードばかりが喧伝されましたが、制限値幅や刻みの変更もかなり影響はあったのではないかと思います。

 手数料の自由化とインターネットの普及で大きく相場が変わり、また、新システムと規制強化などで市場が変わりつつあるのかもしれません。それでも、最終的には株式投資というのはその「会社を買えるかどうか」であり、将来に企業価値が高まる企業に投資するということには変わりないと思います。売り買いのタイミングの測り方の問題であり、その会社を買う=株を買えるかどうかの判断は市場が変わってもそれほど変わるものでもないと思います。3月決算を控えて買える銘柄をピックアップして、買うタイミングを測って見てもいいのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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