ジャーナリスト・上杉隆氏とインフォバーンの小林弘人CEOによる、対談連載8回目。NHKの発表によると、2008年12月にスタートした「NHKオンデマンド」の事業収入は2009年11月末時点で計約2億1000万円。2009年度の当初予算見込みの約23億円を大幅に下回っている。不振の原因について、インフォバーンの小林弘人CEOが分析した。
→もう引き返すことはできないのか? ネットとメディアの関係(1)
→「記者クラブを開放せよ」と言ってきたが……何が変わったのか?(3)
→新聞社や出版社で働く人は、なぜ“原理主義者”が多いのか(7)
1994年、インターネット文化を伝える雑誌『WIRED』日本版を創刊。1998年、株式会社インフォバーンを設立し、月刊『サイゾー』を創刊した。2006年には全米で著名なブログメディア『ギズモード』の日本版を立ち上げた。
現在、インフォバーンCEO。メディアプロデュースに携わる一方、大学や新聞社などに招かれ、講演やメディアへの寄稿をこなす。著書に『新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に』(バジリコ)のほか、『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(日本放送出版協会)の監修を務めている。
上杉 これまで記者クラブを批判してきた、多くのフリージャーナリストが消されてしまいました。テレビや新聞にバッタリ出なくなったり……。時代が違っていたら、私は処刑されているかも(笑)。しかしなぜ自分の場合、まだ続けられるかというと、インターネットの力が大きい。
インターネット上では「斜め上杉」と呼ばれたり、「反日上杉」だったり、いろんな形で批判されています。しかし記者クラブを批判してから、次のような書き込みが増えたんです。「上杉、たまにはいいこと言う」「上杉、これだけは正しい」と。急に評価が変わったのではなく、インターネット上の世論がこの問題に気づいただけのことだと思いますが。
小林 雑誌メディアはゲリラですから。記者クラブに噛みついてきた歴史がありますが、インターネットはこれからですよね。Twitterユーザーが増えて、どこかの記者会見に行こうとして締め出されたら、「これ、おかしくね?」といった感じで、多くの人が気づき始めるのではないでしょうか※。
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