<NYダウ>10120.46▼115.70
<NASDAQ>2179.00▼42.41
<為替:NY終値>89.92-89.98
朝方発表された12月の耐久材受注や新規失業保険申請件数が予想よりも悪く、米国内景気の回復の鈍さを嫌気して売り先行となりました。加えて引き続き金融規制に対する懸念が燻り、リスク許容度が低下、原油や金なども軟調となったことや主力銘柄の慎重な業績見通しが嫌気されて売りが嵩み、下げ幅を大きくしました。それでも、バーナンキFRB(連邦準備理事会)議長の再任が決まったことで、底割れが回避されたものと思われます。
相変わらず経済指標は改善が見られず、個別企業の決算も堅調なものも多いのですが、先行きの見通しが不透明というものが多く、好決算にも素直に乗り切れない状況となりました。中国での金融引き締めに見られるようにリスクマネーの蛇口を閉めるような傾向もあり、楽観的な見方ばかりではなくなっているということのようです。好決算への反応も芳しいものではなく、これまで上向いていたセンチメントも大統領に対する不振が見られるように、少し下向きつつあるということなのでしょう。
個別にはモトローラは好調な決算を発表したものの慎重な利益見通しが嫌気されて売られ大幅下落、新型タブレット型PCを発表したアップルも材料出尽くし感から売られて大幅安となりました。同様に好調な決算を発表したにもかかわらず利益確定売りなどに押されるものが多くAT&T、スリーエムなど主力銘柄が軟調となりました。スマートフォンが好調で業績が上振れ、今後も期待出来るということでノキアが大幅高、売上高増加と予想を上回る見通しを発表、ディフェンシブ銘柄としての側面も評価されてプロクター・アンド・ギャンブルも堅調となりました。バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど銀行株は買い戻しも入り堅調なものが目立ちました。
昨日の日本市場は米国株が堅調となったことや為替が円安に振れたことに加え、前日までの下落の反動もあって買い先行となりました。外国人が売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きからの買いが一巡した後も堅調ではあったのですが、上値の重い展開となりました。ただ、その後先物にまとまった買いが入ると持高調整や先物への仕掛け的な買いが見られ大幅高となりました。
欧米の株式市場が景気回復の遅れや金融不安などから大幅下落となったことで、本日の日本市場も軟調な展開が予想されます。昨日の大幅高も特に理由のない中での上昇であり、目先の需給動向で指数も単純に振らされることになるのでしょうが、相対的な安全資産として日本市場に資金が流入する可能性はないとは言い切れないものの、それほど日本市場に魅力があるとも思われず、対ユーロなどでの円高を嫌気する動きもあって軟調となるのではないかと思います。ハイテク銘柄などは昨日の反動もあって売り優勢となりそうで、ディフェンシブ銘柄や好業績を発表した銘柄などでどこまで下支えとなるかが注目されます。
引き続き日経平均は10100円台半ばから10200円台半ばになると底堅くなり、10500円から600円水準では上値の重いような展開が続くのではないかと思います。外国人買いなどから買い先行となっても10500円を意識するところでは上値も重くなるのでしょうし、逆に大きく売られる局面があったとしても10200円台半ばでは底堅さも見られるのでしょう。決算動向で個別の株価は振らされる場面もあるのかもしれませんが、指数は欧米市場のように軟調となり、下値を試す動きとなって来るものと思います。
◇白川日銀総裁が講演(都内)
◇日銀政策委・金融政策決定会合議事要旨(12月1日および12月17.18日分)
◇12月の鉱工業生産指数速報(経産省)
◇12月の全国消費者物価指数(総務省)
◇12月の失業率(総務省)
◇12月の家計調査(総務省)
◇10-12月の米GDP速報値
◇1月のユーロ圏インフレ率
◇12月のユーロ圏失業率
◇決算・4-12月期:ヤクルト本社(2267)、双日(2768)、大正製薬(4535)、富士フイルムHD(4901)、新日本石油(5001)、日本ガイシ(5333)、住友金属鉱山(5713)、住友電気工業(5802)、住友重機械工業(6302)、東芝(6502)、富士通(6702)、セイコーエプソン(6724)、ファナック(6954)、村田製作所(6981)、日東電工(6988)、川崎重工業(7012)、リコー(7752)、丸紅(8002)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)、東日本旅客鉄道(9020)、日本通運(9062)、ヤマトHD(9064)、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、全日本空輸(9202)、NTTドコモ(9437)、東京電力(9501)、関西電力(9503)、東京ガス(9531)
◇決算・10-12月期:米シェブロン、韓国サムスン電子
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング