例えば、会社で「ブレスト会議」をやったことがある方は多いと思いますが、実際には「アイデアを発散させる会議」「そのアイデアを評価・検討する会議」「実行計画を立てる会議」、この3つの別々の目的を持つ異なるタイプの会議をごっちゃにして行っているケースが結構あるのではないでしょうか。
「自由な発想でブレストしてみよう」などと言っているリーダーが、メンバー各々の発言に対して、「それは非現実的だな」などといちいち評価したり、メンバー同士が「それは誰がやるんですか?」などと実行計画のことを考え、結局発言することにリスクを伴う雰囲気が漂い、誰もが口を開くことを躊躇(ちゅうちょ)し、脳がフリーズしてしまう。
もちろん「自由な発言をどうぞ」と言われても、会社組織のメンバー同士、「的外れなこと言ったらどうしよう」という恐れや、「考えを整理してうまいこと発言しよう」と力が入ってしまうことは人の心理として自然です。
ただし、本来「ブレインストーミング」というぐらいなので、脳に嵐が吹き荒れるように、半狂乱状態で狂ったように考え、発言する状態に持っていかなければ、本当の意味でのブレストの効用は享受できません。
そのためには、リーダー自ら、くだらない発言を連発し笑いを取り、「おもろい発言をしたもん勝ち!」くらいの雰囲気を作ってしまうというのは良い手です。アイデアの質ではなく発言の数を競い合い、「各々の発言に対しては、『それいいね〜』としか言っちゃいけないルール」を設けて、アイデアを発散させるブレスト会議をやってみましょう。その後、いったんブレークを取り、改めて今度はロジックを用いて、大量に出たアイデアを評価・検討していけばいいのです。
会議の目的を区別し、意識すること。会議はその目的に応じて別々にセットする。これが単なる集まりではなく、アウトプットのある会議が生まれる肝ではないでしょうか。(泉本行志)
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