芳しくない経済指標や中国の金融引き締め懸念から大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月21日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10603.15▼122.28

<NASDAQ>2291.25▼29.15

<為替:NY終値>91.22-91.28

芳しくない経済指標や中国の金融引き締め懸念から大幅下落

 前日の引け後や朝方発表された決算はまちまちとなったのですが、住宅着工件数が前月比で減少、予想を下回ったことや中国での金融引き締め観測から商品市況が軟調となったことで売りが先行、大幅下落となりました。寄り付きから売りが嵩んで大きく下落した後は若干戻り歩調となったのですが、戻し切らず前日の大幅高の反動もあって大きな下げとなりました。それでも赤字決算を発表した銀行を含めて金融株に堅調なものが見られ、ハイテク銘柄の一角も堅調となるなど指数の下げ幅の割りに悲壮感はなかったような感じです。

 決算発表が続々と行われています。好悪まちまちといった決算動向ですが決算発表への反応はあまり芳しいものではなく、好決算や予想を上回る決算を発表したにもかかわらず、材料出尽くし感から売られるものも多くなっています。市場のセンチメントも景気回復を素直に好感するというよりは目先的に買い疲れ感と言うか高値警戒感と言うような雰囲気になっているようです。金融緩和の「出口戦略」も含めて、もう一度足元の景況感や業績動向をしっかりと見極めようという感じです。

 個別には原油価格が下落したことでシェブロンやエクソン・モービルが下落、中国の金融引き締め観測を嫌気してキャタピラーも売られました。赤字決算を発表したバンク・オブ・アメリカや既に決算発表を終えているJPモルガン・チェースなど金融株が堅調となりました。新興国でのパソコン需要が伸びていることなどが評価されてインテルが高く、ディフェンシブ銘柄の一つとして買われ、メルクが堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅高となり買い先行となったのですが、外国人が売り越しと伝えられたことや目先的な過熱感が強いことなどから利益確定売りに押されて軟調となりました。政局の混乱もあり、これまで買い手の主体とされていた外国人が売り越し基調となったことが嫌気されて、利益確定売りや見切り売りが急がれたものと思います。

 米国市場など海外市場が大幅安となったことから日本市場も下値を試すような展開になりそうです。新興国などの景気回復期待から業績回復が期待されていたことで新興国での金融引き締めは懸念材料となることに加え、目先的な達成感や過熱感が強かったことで、利益確定売りや見切り売りを急ぐことになりそうです。内需系の出遅れ銘柄やディフェンシブ銘柄などがどこまで相場の下支えとなるのかが注目されます。海外からの日本株への投資が続くとしても先駆したハイテク銘柄などよりは出遅れ銘柄の物色となって来るのではないかと思います。

 海外市場の下落で下値を試す展開となりそうです。昨日の相場である程度は織り込まれていたとしても一旦は手仕舞い売りなどに押されそうです。節目とすれば10500円から600円というところが目処となって来そうで、目先的には10500円〜800円での動き、もう少し先を見ても10100円台半ばから200円台半ばが底値、10800円から900円台が上値という範囲での動きと見ておいていいのではないかと思います。11000円乗せはもう少し後になってしまうのではないかと思います。

本日の注目点

◇1月の主要銀行貸出動向アンケート調査(日銀)

◇決算・4−12月期:信越化学工業(4063)

◇決算・10−12月期:米ゴールドマン・サックス、グーグル、アドバンスト・マイクロ・デバイス、サウスウエスト航空、コンチネンタル航空

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