上値の重さを嫌気して売られる清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月20日 17時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が大幅高となったのですが、日本市場は上値の重い展開から軟調となりました。企業業績には回復期待も強いのですが目先的な過熱感や政局の不安などから買い手も限定され、外国人の買いが続かないと早めに手仕舞い売りが出てくるということのようです。先行きに対する漠然とした不安が最後まで買い切れない要因であり、市場参加者の増えない大きな要因となっているものと思います。

 外国人頼みの相場を露呈するような展開となっています。米国株が大幅高となり、日本市場の出遅れ感がますます強まるはずなのですが、昨日の相場でも市場参加者が増えず、いったん外国人が手を引くとなるとそれに買い向かう動きはなく追随してばかりと言う感じです。相場の方向性、市場で起こっていることなどを考えると目先的な過熱感はあるもののまだまだ買える銘柄も多く、好業績を発表したような銘柄は慌てて売ることもないのではないかと思います。

 市場参加者が少ないとそれだけ、同じ傾向の投資をする人が多く、相場の方向も一方向に行きやすくなってくると思います。何度もこのコラムで述べているように、市場参加者には外国人と日本人、などという区分けではなく、投資家(インベスター)、投機家(スペキュレーター)、裁定取引者(アービトラージャー)、危険回避者(ヘッジャー)の4種類の区分けで考えると分かりやすいのではないかと思います。

 スペキュレーターが多い相場だと毎日日替わりの材料で指数自体が右往左往することになるのでしょうし、アービトラージャーがいないと株価の相対的なゆがみが大きく、ちぐはぐな展開になったり、インベスターがいないと落ち着きのない方向感のない相場、先行きの見え難い相場となったり、ヘッジャーがいないと一方向に動きやすくなったりするということなのです。そして、今の相場がどのような種類の参加者が多いのか少ないのか、これから先にどのような参加者が増える傾向にあるのかどうかなどを考えてみると、相場の先行きも見えて来るのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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