上値の重さを嫌気して売られる清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年01月20日 17時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10737.52円 ▼27.38円
売買高 24億3515万株
日経平均先物 10710円 ▼50円
売買代金 1兆5036億円
TOPIX 944.72 ▼5.04
値上がり銘柄 547銘柄
東証マザーズ指数 421.77 ▼1.14
値下がり銘柄 996銘柄
日経ジャスダック平均 1195.79円 △2.53円
変わらず 138銘柄
騰落レシオ 118.95% △1.71%

日経平均

米国株高や円安となったことを好感して買い先行で始まるも上値の重さを嫌気して売られる

 米国市場が大幅高となったことや為替も若干円安となったことから買い先行となりました。先週末の高値を付けた後、昨日まで大きな下落となっていたことからの反動もあり、堅調となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡した後は引き続き政局の混乱が見られることや航空会社の会社更生法申請の影響などから上値も重くなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も本日は売り越しと伝えられたこともあり上値を押さえる要因となり、積極的に上値を買い上がる買い手が不在の中で上げ幅縮小となりました。

 後場は上げ幅を一段と縮小した後、方向感のない展開となりました。TOPIXが軟調となり値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回るなど上値の重さを嫌気するように見切売りも嵩み、先物にまとまった売りが散発的に見られ、その都度指数を押し下げるような展開になり軟調となりました。売り急ぐような動きはなく、昨日の終値を下回る水準では買い戻しも見られたのですが最後まで買いは入らず、見切売りに押されて軟調となりました。

 小型銘柄も朝方は堅調なものが多かったのですが買い手が広がらず上値の重い展開となり、上値の重さを嫌気するような見切売りに押されるものが多くなりました。それでも東証マザーズ指数は軟調ですが日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物は朝方は買戻しも交えまとまった買いも見られたのですが、利益確定売りやヘッジ売りも多く、指数の上値を押さええる要因となしりました。後場は散発的にまとまった売りが出て指数を下押す要因となりました。政局の混乱などから先行き不透明感が強いこともあって、最後までは買い切れない状況には変わりないようです。

 過熱感が強いこともあり、米国株が大幅高となった割りには上値の重い展開となり、見切売りもあって軟調となりました。医薬品株が堅調となっているように出遅れ感が強い銘柄を物色する動きはあるのですが、相変わらず市場参加者も限られており、新たな買い手が出てこないと買戻し一巡感から上値の重くなるものが多くなったり、あちらを立てればこちらが立たずというように全面高というわけにも行かないようです。循環物色となっており、資金の回転が効いているうちはいいのですが、いったん回転が止まると市場参加者の広がりがない相場であると一気に調整となってしまいそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 昨日の大きな陰線から下に放れてしまいそうですが、何とか高値圏でのもみ合いという状況になっています。昨日の大きな陰線の安値を下に放れると調整感が強まり、基準線あたりまでの調整となるものと思います。逆に上に放れるようであれば、先週末の高値を窺うような展開になったのでしょう。RSIもストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、下に放れる可能性が高いものと思います。

TOPIX

NYダウ

 転換線を意識するように下げ渋ってはいますがまだ高値からの調整と言う感じは否めません。昨日の高値水準を上に抜けてこないとまだ調整が続くと見てもいいのかもしれません。RSIやストキャスティックスも高値圏からの調整を示唆しており、少なくとも上値の重い展開が続くものと思います。

円相場

NYダウ

 遅行線は相変わらず雲の中での動きで日々線は基準線に絡みながらの動きとなっています。RSIにはまだ下値余地があるのですが、ストキャスティックスは底値圏にあり、底値固めといったところなのでしょう。遅行線が日々線に絡むところではさすがに動きも出てくるものと思います。

銘柄ピックアップ

出遅れ感が強い銘柄は堅調

JR東海(9022) 677000 ▼5000

 会社更生法を申請したJAL(9205)に代わり、日経平均に採用されると発表され、投資信託などの買いが期待されて買いが入り堅調となる場面もありました。ただ、既に候補として思惑で買われていたこともあり上値も限定的となり、最後は見切売りに押されて軟調となりました。

昭電工(4004) 189 △1

 2010年12月期の連結営業損益が電子材料が好調で前期の赤字から大幅黒字に転換する見通しと新聞で報じられ、予想されていたこととは言え、改めて好感する買いが入り一時大幅高となりました。

石油資源(1662) 4450 △50

 海外市場で原油価格が堅調となったことや昨日イラクの油田でマレーシア国営石油会社と共同で原油生産を2012年から開始すると発表したことを好感して買われ堅調となりました。

KOA(6999) 947 △45

 午前中に2009年10−12月期業績の上方修正を発表、好感する買いが入り大幅高となりました。安値からかなり上昇していることもあり、利益確定売りに押される場面もありましたが、営業利益が倍増となったことが素直に好感されました。

豊通商(8015) 1489 △84

 ハイブリッド車や電気自動車の電池に使われるリチウムの権益を政府の出資も含めて獲得すると新聞で報じられ、国内資本による始めてのリチウム権益獲得ということで好感されて大幅高となりました。

ニフコ(7988) 1952 ▼48

 2010年3月期連結営業利益が前期比4%増と従来の31%減の予想から一転して増益を確保すると20日付の新聞で報じられましたが、先週大手証券が投資判断を引き上げて買われた後、過熱感から調整となっており、既に織り込まれているとして買い材料とならず、手仕舞い売りが続き軟調となりました。

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