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» 2010年01月19日 08時00分 UPDATE

それゆけ! カナモリさん:そのコンセプトは伝わるか!? スープカフェの試練 (1/2)

ふとコンビニで見かけたフタつきのカップスープ。何のためのフタなのか。ニーズをとらえていても、顧客にコンセプトが伝わらなければ意味がない?

[金森努,GLOBIS.JP]
GLOBIS.JP

それゆけ! カナモリさんとは?

グロービスで受講生に愛のムチをふるうマーケティング講師、金森努氏が森羅万象を切るコラム。街歩きや膨大な数の雑誌、書籍などから発掘したニュースを、経営理論と豊富な引き出しでひも解き、人情と感性で味付けする。そんな“金森ワールド”をご堪能下さい。

※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2009年1月15日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。


ah_kurikomo.jpg Creative commons. Some rights reserved. Photo by yoqqy0

 マーケティングセンスを高めるために必要なことは何かと聞かれれば、その1つは間違いなく「観察力を高めること」だといえる。さらに、観察したものを自分なりに「解釈する」。そんな練習がオススメだ。

 まずは「ネタ探し」。常に「アンテナ」を立ててそこに何かが引っかかる状態にしておく。そして街を歩いてみるのもいい。もしくは店舗内を観察するのもいいだろう。

 コンビニエンスストアのイートインコーナーで飲食をしている消費者の姿に注目しよう。ランチタイムでにぎわっている。どんなものを食べている人が多いだろうか。オフィス街のコンビニで筆者が気になったのは、カップスープとおにぎり、総菜、サラダなどを組み合わせて食べている来店客の姿だ。若年層、中年、男女問わず幅広い客層がそんなメニューをランチにしている姿が見受けられた。

 まずは商品価格に注目だ。「カップスープとおにぎり、総菜、サラダなどの組み合わせ」は、価格的にはほぼ確実に500円、ワンコインを下回る。カップスープ約150円、おにぎり約120円、サラダ約150円。計420円也。昼食予算の削減を図る傾向が強い消費者にとっては頼もしい存在だ。コンビニのイ―トインコーナーが最近増加しているのも、こうした安価な組みわせで昼ご飯を済ます消費者を、取り込もうという意図だろうか。

 ほかに理由は考えられないだろうか。「価格」以外に明確な要素。例えば、同じ数値的なものを考えるなら、各商品の「カロリー数」。「ダイエットのために低カロリーな“そば”にしようと思ったけど、つい“天ぷらそば”を食べちゃった!」なんて経験、ないだろうか? で、それは何キロカロリーあるかご存じだろうか? 意外と分からないだろう。実は約480キロカロリーである。

 コンビニ棚の商品には、ほぼ間違いなくカロリー数表示がされている。カップスープ約100キロカロリー、おにぎり約90キロカロリー、サラダ約90キロカロリー。計280キロカロリー。ちょっと低カロリーすぎる気もするが、分かりやすいカロリー数でダイエットに最適だ。メタボ検診が義務化されて以降、女性だけではなく、男性の顧客にもこうした動きが広がっているのではないか。

 街歩きで見かけたコンビニの変化。そしてそこで昼食をとる人々とそのメニュー、商品。その「観察」から「解釈」をしてみた一例だ。「こじつけ」「屁理屈」と思われるかもしれない。しかし、これは「練習」なのだ。

 今回は、筆者自身がコンビニを歩いていて、気になった商品を紹介する。製品コンセプトが「伝わる」「伝わらない」で見え方が全く異なってしまう象徴的な例を見つけた。

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