目先的な過熱感に加え円高や米国株安、政局不安から売りが嵩んで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年01月18日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10855.08円 ▼127.02円
売買高 23億7724万株
日経平均先物 10840円 ▼130円
売買代金 1兆4496億円
TOPIX 957.55 ▼8.85
値上がり銘柄 496銘柄
東証マザーズ指数 426.17 △4.28
値下がり銘柄 1060銘柄
日経ジャスダック平均 1192.63円 ▼0.11円
変わらず 127銘柄
騰落レシオ 114.50% ▼0.47%

日経平均

目先的な過熱感に加え円高や米国株安、政局不安から売りが嵩んで大幅下落

 先週末の米国市場が軟調、為替も円高に振れたことや政局不安から売り先行となりました。期待された外国人は本日も買い越し(市場筋推計、外資系10社ベース)と伝えられたのですが、寄り付きの売りが一巡した後も目先的な過熱感も強かったこともあり、下げ止まらず指数はじり安となりました。さすがに節目と見られる10800円水準を割り込むと買戻しも入るのですが積極的に買い上がる動きもなく、また、海外市場で商品市況も軟調となり、信用収縮=リスク許容度の低下も見られ持高調整と見られる買いも見られませんでした。

 後場は若干買い戻しが入り戻り歩調となる場面もあったのですが、買いが続かず、底値圏で方向感のない展開となりました。改めて売り急ぐ動きはないものの、散発的な買戻しが見られても買い急ぐ動きはなく指数は小動きとなりました。為替も大きく円高が進むようなこともなかったのですが、買い気に乏しく、結局最後まで買い手不在の中で見切り売りや利益確定売りが続いて上値を押さえましたが、最後は買いが入り大幅安ながらも下げ幅を若干縮小しての引けとなりました。

 小型銘柄は幕間つなぎ的に買われるものも散見され、底堅い堅調なものが多くなりました。東証マザーズ指数は堅調、日経ジャスダック平均は小幅安に止まり、主力銘柄が軟調となる中で底堅い堅調な展開と言えるでしょう。先物は散発的にまとまった売り買いが見られ、その都度指数が動かされる場面は見られたのですが、追随する動きはほとんどなく、動きも限定的、指数を方向付けるような動きは見られませんでした。為替も円高伸展とはならなかったのですが、円安に振れることもなく、方向感のない展開でした。

 目先的な過熱感が強かったことや心理的な節目である日経平均の11000円水準まで先週末に戻したことから、売りが優勢となりました。外国人買いに期待する向きも多く、実際に外国人は買い越しと伝えられたのですが、先週までのような買い方ではなく、指数を下支え、押し上げる要因とはなりませんでした。売り急ぐ動きはなく、指数も節目と見られる水準=10800円水準で底堅さも見られたことから、引き続き強含み、景気回復・業績回復を織り込む動きなのでしょうが為替動向をにらみながらのスピード調整となるのかもしれません。政局の混乱が足を引っ張り、外国人の買いが引っ込むようであれば押し目も大きくなるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 大きな陰線とならなかったことが救いですが引き続き下ヒゲの長い足となって、下値不安が残りました。明日も本日の終値を下回るようであれば調整となるのかもしれません。RSIは上値余地もあるのですが、高値圏にあり、ストキャスティックスも高値圏に張り付いて目先的な過熱感が強く、移動平均や基準線との乖離も大きく、調整となる可能性も高そうです。押し目を確かめるような軟調な展開となって来るのかもしれません。抜けて来た節目である8月高値圏でのもみ合い水準である10500円から600円水準まで下落となる可能性もありそうです。

TOPIX

NYダウ

 本日のローソク足が大きな陰線とならなかったことは救いですが、下ヒゲの小さな陽線の後の十字足となって、上値の重さが見られます。明日も軟調となると戻りが鈍くなり、戻りが鈍くなると上値の重さを嫌気する見切り売りに押されるという展開になるのかもしれません。RSIは上値余地もあるものの、ストキャスティックスは高値圏にあり、移動平均線や基準線との乖離も大きく、少なくとも下がらないまでも上値の重い展開が続くものと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き円安一服と言うか、ドル高一服となっています。それでも基準線にサポートされて底堅く、遅行線も雲のなかで落ち着いた動きとなっています。RSIはまだ下げ足りないのですが、ストキャスティックスは底値圏になっており、底堅い展開は続きそうです。遅行線が日々線にサポートされるのかどうかがここから注目されます。

銘柄ピックアップ

目先的な過熱感が強く手仕舞い売りに押される

トヨタ(7203) 4190 ▼10

 円高や米国株安を嫌気する売りに押されて軟調となりました。それでも、ハイブリッド車の世界販売台数の目標を2011年に2009年の倍に引き上げると新聞で報じられたことや外国人の持高調整の買いも入り底堅い動きとなりました。

日東紡(3110) 190 △27

 先週末の引け後に2000万株を上限とする自社株取得を実施すると発表、需給の好転を期待する買いが入り大幅高となりました。全般に目先的な過熱感などから売り優勢となるなかで、分かりやすい買い材料として目先筋の買いも集まったものと思います。

三菱商(8058) 2453 ▼71

 海外市場で商品市況が軟調となったことなどから、売り先行となりました。目先的な過熱感が強かったことや外資系証券が投資判断を引き下げたことも売り急がせる要因となったものと思います。

マツダ(7261) 246 ▼2

 目先的な過熱感もあり、売り先行、軟調となりました。中国でのフォードとの合弁を解消すると報じられましたが、特に材料視されることもなく、売り買いどちらの要因にもならなかったような感じです。

Uアローズ(7606) 845 △39

 先週土曜日の新聞で2009年4−12月期の連結営業利益が前年同期比25%増となったと報じられ、通期ベースでの営業利益予想を大きく上回り、業績上振れ期待が高まり、大幅高となりました。

ユニオンツール(6278) 2791 △198

 先週末の大引け後に発表した2010年11月期の連結業績予想で純利益の見通しが2009年11月期の12倍になると発表、景気回復が期待される中で、設備投資の回復期待も強く業績上ブレ期待から買われて大幅高となりました。

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