芳しくない決算や経済指標に加え3連休前の手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月18日 08時34分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10609.65▼100.90

<NASDAQ>2287.99▼28.75

<為替:NY終値>90.76-90.82

芳しくない決算や経済指標に加え3連休前の手仕舞い売りに押されて軟調

 前日の引け後に発表されたインテルの決算は予想を上回ったのですが、朝方発表されたJPモルガンの決算内容が良くなかったことや3連休を控えた週末の手仕舞い売りがかさみ売り先行となりました。加えて消費者信頼感指数が予想を下回り、相変わらず経済指標の好転が見られないことなどが嫌気されて売り急ぐ場面もあり、いいところなく軟調となりました。

 商品市況も手仕舞い売りもあって軟調となり、相場の下支えとはならず、いったんリスクマネーを縮小するような持高調整の動きもあったようです。まだまだ上昇トレンドには変わりなく、景気回復期待も強いのですが、引き続き今週も決算動向に一喜一憂する展開となってくるものと思います。好決算が続くようであれば、素直に景気回復を好感することになるのでしょうが、経済指標の好転などが見られると金融緩和の出口戦略などが取りざたされることになりそうです。

 個別にはインテルが好調な決算を発表したにもかかわらず大幅安、連れてグーグルやIBMなどハイテク銘柄は軒並み軟調となり、JPモルガン・チェースが芳しくない決算を発表して売られ、連れてバンク・オブ・アメリカが大幅下落となるなど金融株が売られました。商品市況も軟調となったことで、エクソン・モービルなどの石油株、ニューモント・マイニングなどの金鉱株が安く、景気敏感銘柄も利益確定売りに押されるものが多くキャタピラーが大幅下落となりました。ほぼ全面安となり、かろうじてファイザーやクラフトフーズといったディフェンシブ銘柄に高いものが見られました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は目先的な過熱感や円高傾向にあったことなどのマイナス要因はものともせず利益確定売りをこなして堅調となりました。出遅れ銘柄や主力銘柄に外国人買いや手仕舞いの買戻しなども見られ底堅い堅調な展開となったものと思います。目先の需給要因で上昇したとは言え、買い方の回転も効いているのですが、まだまだ市場参加者は増えていないようです。

 週末の米国市場が軟調となったことや政局の混乱が懸念されること、また目先的な過熱感も強いことから軟調となるのではないかと思われます。為替も円高に振れたことから輸出関連銘柄が、商品市況が軟調となったことから非鉄株や商社株が利益確定売り押されそうで、米国市場が3連休となるなかで外国人買いも一服となるかもしれません。外国人買いに見られる需給の好転がここまでの上昇要因となっていただけに「円キャリー取引」が続くのかどうかで相場の方向が決まるのでしょう。

 日経平均は節目を次々と抜けて、心理的な節目である11000円水準まで上昇となりました。ただ、一昨年の9月末から10月初めにかけてあけた「窓」を埋めたという状況に過ぎず、いったんこの水準で11000円に届かなかった失望感や11000円を抜けたことによる達成感で上値が重くなると目先的には10500円から600円の節目水準まで調整となりそうです。その前に10800円水準の節目で下げ止まる可能性もあり、今日、明日の相場展開が注目されます。

本日の注目点

◇通常国会召集

◇日銀支店長会議

◇11月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)

◇キング牧師の生誕記念日で米全市場が休場

◇決算・4−12月期:小松ウオール工業(7949)

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