週末の手仕舞い売りをこなして買い戻しが入り堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月15日 16時22分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 「外国人買い」期待から週末の手仕舞い売りをこなし、為替が円高傾向にあるにもかかわらず底堅い、堅調な展開となりました。ここのところ相場を牽引してきた銘柄は利益確定売りに押されて軟調となるものも多かったのですが、米インテルの好決算を受けて半導体かんれ銘柄の一角が堅調、出遅れ感が強いことから買戻しや外国人の買いが取り沙汰されて銀行株が高く、指数を下支えする格好となりました。

 「外国人買い」期待が強いようですが、外国人が買うと何故株が上がるとされるのでしょうか。確かにまとまった株数を一気に買い上がるというような買い方の問題や傾向として一旦買いが入ると買い続けることが多い、などという理由もあるのでしょうが、一番大きな理由は「外国人が買っている」と言う理由で買う人が多いからではないかと思います。明日も買いが続くのかどうか、いくらまで買うのかどうかなどはそう簡単に分かるものでもなく、「買っているといっているから」と言うことなのでしょう。

 実際に外国人が買うときはまとまった株数を長い時間かけて買うことが多いのですが、一口に「外国人」と言っても、いろいろな投資家がいるわけで、「外国人」と十把一絡げに考えるよりは「まとまった買いが入っているのかどうか」「買いが明日も明後日も続くような買い方なのかどうか」と考えておく方がいいでしょう。国内の機関投資家でも長い時間かけてまとまった株数を買うこともあり、持ち合い株の処分などは長い時間かけて売られることになります。つまり、「外国人」「外国人」と取り立てて大騒ぎする必要もなく、どのような買い方をする投資家が市場参加者のなかで大きなウエイトを占めているのかどうかを見ておく方がいいと思います。

 最近のように目先的な売買をする人が多くなると外国人のようにまとまった株数を売り買いするときなどは一方向に大きな値動きとなることも多く、どこまでが「本当の」外国人の買いなのかを見極める必要もあるものと思います。外国人の売り買いでも為替の影響から高値と見られるところで買うこともあれば、安値で売ることもあると思います。要はどこまでいつまで続くかを見極めることが必要であって、売り買いのパターンを形式的に分けるものとして「外国人」と言う言い方を使うのは良いと思いますが、外国人かどうかなどはあまり重要でないということなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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