経済指標は芳しくないが個別企業の決算期待で堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月15日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10710.55△29.78

<NASDAQ>2316.74△8.84

<為替:NY終値>91.21-91.27

経済指標は芳しくないが個別企業の決算期待で堅調

 朝方発表になった新規失業保険申請件数は予想を上回り、雇用改善が引き続き弱いことが示され、小売売上高は予想を下回ったことから売り先行となりましたが、逆に超低金利継続期待もあって底堅い堅調な展開となりました。決算発表が本格化するなかでインテルの決算発表を控えて好調な決算を期待する向きも多く、総じて堅調な展開となりました。引き続き出遅れ感が強い銘柄への押し目買いや業績回復期待からのハイテク銘柄への買いが続き堅調な地合いが続いているものと思われます。

 商品市況は原油価格が安く、金価格が高いのですが全般的に落ち着いており、株価への影響は比較的少なくなっています。引け後に発表されたインテルの決算は予想を上回り、時間外取引で堅調となっており(日本時間6時30分現在)、個別企業の業績が好調、経済指標は芳しくない、と言う状況が続いています。新興国などの国外の景気回復が米国内の景気回復までまだ波及していないということなのでしょうが、今後の景気回復が期待されるものとして引き続き強含みの堅調な地合いは続くのではないかと思います。

 個別にはインテルは好決算期待から堅調となり、連れてマイクロソフトやIBMなどハイテク銘柄は総じて堅調となりました。金先物価格は堅調なのですがニューモント・マイニングなど金鉱株は利益確定売りに押されて安く、原油価格は軟調なのですが、エクソン・モービルやシェブロンは小動きとなっています。キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)などの景気敏感銘柄は軟調なものが多く、メルクやプロクター・アンド・ギャンブルなどディフェンシブ銘柄は堅調となっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円安を好感して大幅高となりました。機械受注は大幅に予想を下回り、企業物価指数も大幅マイナスとなったのですが、逆に金融緩和が継続されるとの思惑から「円キャリー取引」の買いも入り、大幅高となりました。外国人買いが続いているとして主力銘柄を中心に昨年来高値を更新する銘柄も多く、また、出遅れ銘柄を物色する動きも広がりほぼ全面高となりました。

 米国市場が堅調となったことから引き続き底堅い堅調な地合いが期待されます。ただ、週末ということに加え目先的な過熱感もあることから、上値も限定的となりそうです。米国景気の回復度合いもまだまだ鈍く、為替も落ち着いているとは言えまだ水準としては円高水準にあり、外国人買いは続くのかもしれませんが利益確定売りなども嵩むのでしょう。商品市況もまちまちとなり、資源株などは手仕舞い売りや利益確定売りに押されるものも多くなるのでしょうし、ハイテク銘柄なども米インテルの好決算を受けて堅調となるのでしょうが、ある程度は織り込まれていたものとして上値も限定されるのではないかと思います。

 日経平均は10900円台まで上昇しましたが、ここからはさすがに目先的な過熱感もあって上値も重くなるものと思います。節目としては一昨年9月末から10月始めにかけて空けた「窓」の上限である、10900円台半ばの水準が節目の上値となっており、心理的な節目と見られる11000円を意識するような場面、あるいは11000円を超える場面では「窓埋め」ということや目先的な「達成感」もあって手仕舞い売りも嵩んでくるのではないかと思います。昨日の相場でインテルの好決算を織り込んでいる可能性もあり10900円台での堅調な展開は期待されるものの、上値も限定的となるものと思います。

本日の注目点

◇11月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)

◇09年のビール系飲料出荷量(大手5社)

◇欧州自動車工業会が09年通期の新車販売台数を発表

◇12月の米消費者物価指数

◇12月の米鉱工業生産

◇決算・10−12月期:JPモルガン・チェース

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