前日の下落の反動や円安、米国株高を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年01月14日 16時45分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10907.68円 △172.65円
売買高 32億2679万株
日経平均先物 10890円 △170円
売買代金 1兆5910億円
TOPIX 959.01 △14.99
値上がり銘柄 1169銘柄
東証マザーズ指数 414.49 △3.66
値下がり銘柄 381銘柄
日経ジャスダック平均 1190.59円 △4.05円
変わらず 127銘柄
騰落レシオ 117.78% △7.72%

日経平均

前日の下落の反動や円安、米国株高を好感して大幅高

 米国市場が景気回復を確認して堅調となったことや円安となったことに加え、前日の大幅下落の反動や外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことから買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後は10800円水準で上値を押さえられる場面もありましたが、円安傾向となったことや持高調整=円キャリー取引のような買いも見られ堅調な展開が続きました。出遅れ感が強い銘柄を物色する動きも見られ、物色対象が広がり、買い方の回転も効いているということのようです。

 後場に入ると昨日のように売りが優勢となるか、一昨日のように一段と買いが入るのかどうかが注目されましたが、買い先行となったことで高値を窺うように一段高となり一昨日の高値を更新となりました。円安が進んだことからハイテク銘柄や自動車株が買われ、商品市況の落ち着きから非鉄株や商社株も買われ、中国の金融引き締めの影響も限定的となったことや工作機械受注が好調とされたことで、機械株が高く、通信株や海運株、医薬品株などは出遅れ感が強い銘柄として物色されほぼ全面高となりました。朝方発表された機械受注が芳しくなかったことで、日本でも超低金利が継続すると見て「円キャリー取引」などもあったものと思います。

 小型銘柄は主力銘柄が物色されるなかで、上げ幅も限定的となりました。主力銘柄の値動きが良いことで「蚊帳の外」となったのでしょう。それでも東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物はまとまった売り買いは散発的に見られましたが、まとまった売り買いが継続されることもほとんどなく、指数を大きく押し上げる要因とはなりませんでした。指数は目先的に過熱感が強いこともあって、持高をどちらかにか偏らせるというよりは目先的な売買、あるいはヘッジ売りが中心となったようです。

 毎日日替わりで「リターンリバーサル」となっているような面もあります。ただ、基調は強含みで中国など新興国での過熱感=バブルの防止と日本のように出遅れている市場の戻りが試されるなかで、毎日強気になったり弱気になったりしているということなのでしょう。上げ下げの動きが大きくなっているのも「新システム」の影響かもしれませんが、基本的な方向とすれば強含みということなのでしょう。ただ、外国人の買いが入ったと見られるもののまだまだ市場参加者が増えたという印象はなく、市場参加者が増えるためにはもう一段の上昇が必要ということなのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線にサポートされて堅調となりました。ただ、まだ一昨日の高値圏までしが戻らず「抜け切った」と言うことでもなさそうです。目先的な過熱感が強く、「毛抜き天井(ダブルトップ)」の形であり、まだ昨日の安値を割り込むと本日の高値が「天井」となる懸念は残されています。11000円に突っかけるような場面があれば「達成感」感から高値をつけて10800円水準での押し目を確認することになるのでしょうし、ここが「天井」となると10500円から600円水準の押し目を試すことになるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 8月から9月にかけてのもみ合い水準まで戻っても強含みとなっています。移動平均線や基準線、転換線との乖離も大きく過熱感が強いことから8月高値水準まで一気に突っかけるまでに一旦、調整となって来るものと思われます。過熱感が冷めるまで8月のもみ合い水準の下限レベル(940)での底堅さを確認するような場面も見られるのかもしれません。

円相場

NYダウ

 基準線を意識して底堅さが見られます。RSIはまだ下げ足りず、下落が続いていますが、ストキャスティックスは底値圏まで下落となっています。基準線をサポートに底堅い展開が続くものと思われますが、基準線が上昇となるところでもあり、強含みの展開が続くものと思います。RSIがもう少し下がると反発となって来るのはないかと思います。

銘柄ピックアップ

出遅れ銘柄を物色する動きでほぼ全面高

東洋電(6505) 808 △57

 中国の鉄道で駆動装置やモーターを連続受注したと新聞で報じられ、鉄道関連事業の収益拡大を期待した買いが入り大幅高となりました。新興国で鉄道インフラが注目されるなかで順調に受注が拡大していることが確認されて買われました。

塩野義(4507) 1968 △64

 注目されていた点滴型の新インフルエンザ治療薬が製造販売承認を取得、月内にも販売が開始されることが好感されて買われ大幅高となりました。出遅れ銘柄を物色する流れのなかでディフェンシブ銘柄である医薬品株の見直し買いが入ったことも上げ幅を広げる要因となったものと思います。

商船三井(9104) 623 △42

 2009年10−12月期の連結経常利益が7−9月期に比べて6倍強に拡大したと新聞で報じられ、バルチック指数(海運指数)が堅調となっていることもあり、好感した買いが入り大幅高となりました。

オークマ(6103) 583 △70

 昨日発表された工作機械受注が19カ月ぶりに前年実績を上回ったことから業績改善期待から変われて大幅高となりました。業績改善が期待されて買われていたのですが、改めて買い直されて上げ幅を広げました。

サカタのタネ(1377) 1276 ▼76

 昨日の大引け後に欧米での種子販売の不振や為替差損から2010年5月期の連結最終損益を大幅に下方修正したことが嫌気されて見切り売りが嵩み大幅下落となりました。

ニコン(7731) 2047 △157

 デジタル一眼レフカメラ市場が回復していることやLCDメーカーの大型投資計画が相次いでいること、また、液晶製造装置で中国での大型商談獲得に成功したことなどから、大手証券が投資判断を最上位に据え置き、目標株価を大きく引き上げたことが好感されて大幅高となりました。

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