前日の反動や投資判断の引き上げ、景気回復が確認できたことから堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月14日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10680.77△53.51

<NASDAQ>2307.90△25.59

<為替:NY終値>91.38-91.44

前日の反動や投資判断の引き上げ、景気回復が確認できたことから堅調

 決算発表が本格化するなかで、投資判断の引き上げや業績上方修正が見られ、前日の下落の反動もあって買い先行となりました。原油価格が軟調となったことで、資源株などは安くなるものもありましたが、出遅れ感が出ているディフェンシブ銘柄などが買われ、決算発表を控えているハイテク銘柄なども底堅い堅調な展開となり指数を押し上げました。ベージュブック(地区連銀経済報告)でも「緩やかな景気回復が続く」とされたことから、特に買い急ぐ動きはないものの押し目買いなども入り堅調となりました。

 ベージュブックで景気回復が確認されたことで、買い安心が出ると共に金融緩和の出口戦略も取り沙汰され上値も限定的となりましたが、これまでの順調な景気回復を織り込む動きは続きそうです。商業用不動産が依然として芳しくないことや雇用や借り入れに弱さが見られ、強気にはなり切れないということなのでしょうが、同時に金融緩和など政策面からの後押しは引き続き必要ということでコンセンサスが出来ているのではないかと思います。FRB(連邦準備理事会)が前面に押し出されていないことを考えると順調に回復しているということでしょう。

 個別には前日の反動や商品市況の一角が堅調となったことからアルコアが反発、金価格が高いことからニューモント・マイニングなど金鉱株は堅調となりました。投資判断の引き上げのあったメルクが大幅高、ディフェンシブ銘柄を見直す動きからファイザーやプロクター・アンド・ギャンブルなども堅調となりました。決算発表を控えたインテルも堅調となりました。一株利益見通しを上方修正したクラフト・フーズは高く始まったものの利益確定売りに押され最後は軟調となりました。バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースも景気回復期待から買われ堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円高や中国の金融引き締めを嫌気する動きから大幅下落となりました。寄付きから売り先行で始まった後、外国人が買い越しと伝えられたこともあり、戻り歩調となる場面もあったのですが戻り切らず、後場に入ると見切売りが嵩んで売り直され、大幅下落となりました。目先的に過熱感が出るように買われていたこともあり、利益確定売りを急ぐ場面もあったものと思います。

 米国市場が堅調となったことや為替も円安に振れ、昨日の大幅下落の反動もあって買い先行となりそうです。朝方発表される機械受注も気になりますが、昨日発表された工作機械受注が新興国などで伸びていることから、予想を上回って好調となったこともあり、好調な数字が期待されます。ただ、円安に振れたといってもまだまだ水準としては円高水準にあり、指数も目先的な過熱感が強いこともあって、上値の重い展開が続くのではないかと思います。また、政局の混迷も懸念されることから積極的な買いは手控えられそうです。

 節目と見られる10800円水準が「押し目」ではなく「上値目処」となった感が強まりました。本日も10800円を抜けてこないと10800円から900円の水準が当面の上値目処となり、今度は目先的な過熱感を冷ますような展開になりそうです。外国人買いなども期待されますが、10800円水準を抜けたところでも買いが入るようでないと本格的に景気回復を織り込むということにはならないのでしょう。下値も10700円水準での底堅さも見られ、大きく下げることもないのでしょうが上値の重い展開となりそうです。

本日の注目点

◇12月の企業物価指数(日銀)

◇11月の機械受注(内閣府)

◇09年の中古車販売台数(自販連)

◇欧州中銀(ECB)理事会(フランクフルト)

◇12月の米小売売上高

◇英豪資源大手のリオ・ティント、09年12月期の生産実績を発表

◇決算・3−11月期:ドトール・日レスHD(3087)、松竹(9601)、東宝(9602)、ダイセキ(9793)

◇決算・10−12月期:米インテル

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