中国の金融引き締めや円高を嫌気して売られ大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月13日 17時25分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株安を受けて、というよりも米国株安の要因となった商品市況の下落や円高、そしてその要因となった中国での金融引き締めが嫌気されて軟調となりました。一時外国人買い期待などから買戻しも入り戻り歩調となる場面もあったのですが、目先的な過熱感もあり売り直されて軟調となりました。円高にもかかわらずハイテク銘柄など輸出株が買われるなど目先の需給好転から底堅さもみられたのですが、円高傾向となったことで買い手控えられたものと思います。

 海外市場で一斉に商品市況が軟調となり、それを受けて株価も軟調となる市場が多くなりました。元々は中国の金融引き締めが要因なのですが、その要因があまり大きく取り上げられることもないようです。株価が何らかの材料で動く際に、自分ではたいしたことはない、と思っていても想像以上に大きく上げたり、下げたりすつことがあります。また、好材料と思っていてもほとんど反応はなく、あまりに反応がないので売ってしまったあとに株価が同じ材料で大きく上がるなどということもあります。

 だから株式投資は面白い、あるいは難しいという人もいますが、いくつかの前提の下で見通しを立てたのであればその前提が崩れるまではその見通しを変える必要はないと思います。逆にそうした見通しを立てないことにはその銘柄を買っていいのか悪いのかを判断することは出来ないということであり、相場全体の大きな流れからしっかりと見通しを立てることが必要となって来るものと思います。そしてその見通しも人の言うことを鵜呑みにするのではなく、自分の投資スタンスでの見通しを立てることが大切ということでしょう。

 例えば、「スマートグリッド関連銘柄」と言っても大小さまざまな銘柄があり、全てが「スマートグリッド」だけを行っているわけでもないので、そのどういう面が評価されて買われ、どのようなマイナス面があるのかどうかなどをしっかりと把握し、「スマートグリッド関連」だから、というだけで投資判断をしないことと同じです。金利の影響はどうか、為替の方向性はどうか、そして経済そのものの流れはどうなのか、などを常に漠然とでいいので把握しておく必要があると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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