世界的な景気回復を織り込むような格好で出遅れ銘柄が物色されて堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月12日 16時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 為替は円高となったのですが、まだ節目と見られる水準で止まっており、円安一服と言う感じは強いものの円高と言う雰囲気でもないことから、売り先行で始まったものの底堅さが見られ、出遅れ銘柄輪を物色する動きもあり堅調な展開となりました。中国を筆頭に新興国での経済拡大は引き続き期待出来るとして米国でも新興国関連銘柄が買われ、日本市場でも個別の材料や出遅れ銘柄を物色する動きに加え、中国などの新興国関連銘柄が堅調となりました。「二番底」懸念も徐々に薄れており、割安感が強い銘柄を中心に物色しているものと思います。

 新興国関連銘柄を中心に出遅れ感が強いものを物色する動きになりました。為替の動きに振らされている面もあるのですが、大きな流れとしてドルの暴落懸念なども薄れて、為替も落ち着いているものと思います。相変わらず政策面での先行き不透明感は拭えず、政策に絡んでの材料は取り上げ難いのですが、本来であれば、政策に絡む話と言うのは予算編成の段階で「見えて」来るので案外相場になり易いものではないかと思います。

 1980年代の「バブル」もNTT(9432)上場のための布石だったとの見方もあったように、本来であれば政策と株価というのは密接な関係ではなかったかと思います。昨年の「政権交代」以来政策の方向感が定まらず、政策面での後押しなしに世界的な景気回復から日本でも「二番底」懸念が薄れ、米国の金融政策や経済対策の効果、日本でも旧政権の経済対策の効果で何とか株価も保っているのですが、政策面での後押しも欲しいところです。

 業績底入れ感が強まっているのですが、まだまだ需給面での不安は残っているのではないかと思います。米国景気の回復=出口戦略が取り沙汰されるなかで、「ドルキャリー取引」から「円キャリー取引」への流れもあるのかもしれませんが、市場参加者を増やさないことにはまたすぐに需給の悪化で株価も訳もなく下げることになってしまうものと思います。ここでは単なるバラマキではなく、市場が拡大するような需要の喚起、デフレ脱却の施策などの株式市場への参加者が増えるような施策が期待されます。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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