雇用統計は芳しくないが超低金利継続期待から堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月12日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10663.99△45.80

<NASDAQ>2312.41▼4.76

<為替:NY終値>92.07-92.13

雇用統計は芳しくないが超低金利継続期待から堅調

 注目された先週末の雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想以上に減少、雇用の回復がまだ期待されるほどではないことから、週末の米国市場は売り先行となりました。ただ、逆に超低金利が継続するとの期待や企業の決算発表に対する期待、また、11月雇用統計が上方修正されたことから雇用の改善傾向は変わらないとの見方から押し目買いや買い戻しが入り堅調となりました。週明けの米国市場も超低金利継続や決算発表に対する期待に加え、投資判断の引き上げなどが見られたこと、また、商品市況が堅調なことからダウ平均は堅調、ナスダックは小幅安となりました。

 雇用の改善が期待されたほどではなかったのですが、逆に超低金利継続という方向に捉えられるように市場のセンチメントは引き続き上向きと考えられます。週明けのナスダック指数は軟調となりましたが、ナスダック指数が先行していた分、先に利益確定売りに押されたということで、上昇基調は変わりないものと思います。今後も決算動向に一喜一憂することになるのでしょうが、景気回復、業績回復と「出口戦略」とがせめぎ合いながら強含みの展開が続くものと思います。商品市況などに過熱感が出てインフレ懸念が出ることも懸念されますが今のところはまだ「景気回復」ということで懸念材料とはなっていないものと思います。

 個別には金価格の上昇など商品市況が堅調なことから決算発表に対する期待が強くアルコアが高く、中国など新興国需要の増大期待からキャタピラーが大幅高、ダウ平均を押し上げました。昨年のクリスマス商戦が好調だったことから投資判断の引き上げが相次いだコーニングが高く、格上げが伝えられたフォードは7日続伸、大幅高となりました。原油価格は上げ一服となったのですが、エクソン・モービルなど石油株が高く、金価格が堅調なことからニューモント・マイニングなど金鉱株も堅調となりました。銀行株はまちまちとなり、インテルやマイクロソフトなどハイテク銘柄は利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は円安を好感して買い先行で始まったものの、出遅れ銘柄への買戻し一巡感や3連休を控えた週末ということで手仕舞い売りがかさんで軟調となる場面もありました。ただ、出遅れ銘柄への買戻しが入り出すと売り手控え気分も強くなり、堅調な展開となりました。引けも買い優勢となり節目と見られる10800円水準での引け、大幅高となりました。目先的な過熱感は強いのですが、堅調な地合いが続きました。

 注目された米雇用統計は予想よりも悪かったのですが、返って超低金利継続期待から堅調となり、日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。米国でも決算発表が始まりますが、日本市場でも「二番底」が懸念されるなかで、昨年の業績動向なども見えて来るところではないかと思います。回復基調には変わりなく、日本市場の出遅れ感もあるのですが、相変わらず政策の方向性が見えないことがネックとなって、最後まで買い切れないような状況は続くものと思います。商品市況などが引き続き堅調なことから市況関連の商社株や非鉄株などの買いが期待されます。先駆したハイテク銘柄などは円高となったこともあり、利益確定売りがかさみ指数の上値を押さえる要因となりそうです。

 目先的な過熱感は引き続き強いのですが、海外市場が堅調なことから、底堅い展開も期待されます。日経平均は10800円水準という節目までの戻りが確認され、今度は目先的な過熱感を冷ますように押し目を試す動きとなるのではないかと思います。11000円に突っかけるというよりは10900円水準を意識するところ、10800円を超えるところでは上値も重くなり、利益確定売りが嵩むものと思われます。一方で、下値は10800円まで上昇したことで、一旦は10500円から600円水準では下げ止まるものと思います。

本日の注目点

◇12月の景気ウオッチャー調査(内閣府)

◇12月のマネーストック(日銀)

◇12月の貸出・資金吸収動向(日銀)

◇11月の国際収支(財務省)

◇11月の米貿易収支

◇決算・11月期:キユーピー(2809)、OSG(6136)

◇決算・9−11月期:サイゼリヤ(7581)

◇決算・3−11月期:良品計画(7453)

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