前日の大幅高の反動や住宅指標の悪化を嫌気してダウ平均は反落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月06日 08時30分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10572.02▼11.94

<NASDAQ>2308.71△0.29

<為替:NY終値>91.71-91.77

前日の大幅高の反動や住宅指標の悪化を嫌気してダウ平均は反落

 前日の大幅高の反動や昨年11月の仮契約住宅販売指数が予想以上に悪化したことから、住宅市場の回復期待が萎み、利益確定売りを急ぐ動きも見られました。一方、長期金利が低下、原油先物相場や金先物相場が上昇したことで、石油株や金鉱株などが高く、また、景気回復期待が根強いことからハイテク銘柄などにも堅調なものが目立ち、利益確定売り一巡後は切り返して底堅い展開となりました。引き続き景気回復期待が根強く、市場のセンチメントは上向いているようです。

 住宅指標に陰りは見られるものの、個人消費などは回復の兆しも見られ、市場のセンチメントに変化はないようです。目先的な利益確定売りは出るものの、下値をむきになって売り叩くような動きもなく、指数が軟調となる場面でも落ち着いた展開となっています。金利上昇懸念が薄れていることから個人消費の回復などを期待する向きも多く、好調な経済指標には敏感に反応、芳しくないものには反応は限定的となっているようです。

 個別には「スマートフォン」市場の成長率が37%となるとの大手証券のレポートが取り沙汰されてパームやクアルコムが買われ、堅調となりました。リサーチ・イン・モーションは買い先行となったものの最後は利益確定売りに押されて軟調となりました。原油価格や金価格が高く、エクソンやシェブロンなどの石油株、ニューモント・マイニングなどの金鉱株が引き続き堅調、12月の自動車販売が好調ということでフォード・モーターは大幅高となりました。景気回復基調には変わりないということで、キャタピラーやGE(ゼネラルエレクトリック)も高く、JPモルガン・チェースなどの金融株もしっかりとした展開になりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて堅調な始まりとなったものの目先的な過熱感もあり上値も重くなりました。円高に振れたことや、昨年8月の取引時間中の高値を更新したことで達成感が出たことも利益確定売りや戻り売りを急がせる格好となりました。一方で出遅れ感が強い銘柄を買い戻す、あるいは買い直す動きはあり指数は堅調となりました。持高調整の売り買いも見られ、為替の動きに振らされる場面もありました。

 米国市場はまちまちとなりましたが、為替が円高傾向となったことで、上値の思い展開となるのではないかと思います。昨日の相場で既に上値の重さが確認されてはいるのですが、逆にもう一段の円安、つまり米国景気の回復などが鮮明にならないとここから先買い上がるには材料不足ということになりそうです。加えて、銀行の大型増資が発表されたことで、本来であれば増資そのものが悪いということではないのですが、景気の回復途上、相場の回復途上での大型増資ということで嫌気されることになりそうです。輸出株などが利益確定売りに押され、出遅れ感の強い銘柄や目先的な値動きが期待される銘柄が幕間つなぎとして買われることになりそうです。

 昨日も堅調となりましたが、10700台で引けず、10800円水準での上値の重さが確認されました。目先的な過熱感もあり、一旦は、10800円水準が上値目処となって10500円から600円での底堅さを確認することになるのかもしれません。「今月」という範囲で見て、10500円から600円水準を割り込むようでも10000円を割れる心配はいまのところなさそうで、10100円台半ばから10200円台半ばでは下げ止まるものと思います。ただ、まだ上値を追うには個々の企業の業績回復、あるいは新興国→米国と続いた景気回復の波が更に高まる必要があるということなのでしょう。

本日の注目点

◇米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(09年12月15−16日分)

◇09年12月の米ISM非製造業景況感指数

◇決算・09年3−11月期:エービーシー・マート(2670)、アークス(9948)

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