早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。
「釣った魚にはエサをやらない」
すなわち、見込み客が購入してくれるまでは熱心にアプローチするものの、顧客になった途端、見向きもしなくなり、新たな見込み客のハンティングに執心する。これは、いまだ多くの企業における営業・マーケティング活動の実態でしょう。
もちろん近年はCRM(Customer Relationship Management)の思想や、CRMを実行可能にする顧客統合データベースなどのITシステムの浸透によって、「釣った魚にも十分にエサを与える」こと、つまり既存客との関係性を深めることで安定した収益につなげている企業も増えてきてはいますが。
留意すべきなのは、「顧客第一主義」といったスローガンを掲げて、どんなに強くCRMの重要性を社内に訴え、また最新型のCRMシステムを導入しようと、営業やサービス部門など、顧客接点の最前線にいる人たちの実際の行動が変わらなければ成果にはつながらないということです。
では、どうやって最前線の人たちの実際の行動を変えたらいいのでしょうか?
一番効果的なのは、評価体系を変更することですね。例えば資生堂では、美容部員の販売ノルマをなくして、「顧客満足度」を核とした評価体系に変更しています。これによって、製品をガンガン売ることではなく、お客さまに満足していただけるような接客サービスに自然と力が入るようになります。もちろん、接客サービスの向上が、結果的に販売にもつながるというロジックですが。
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